ひろゆき氏「根拠は何? ソースは何? 聞くのは当たり前」悪口文化、デマ追及、オフ会…“2ちゃんねる”が生んだ価値観
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 1999年、「ハッキングから今晩のおかずまでを手広くカバーする」というキャッチフレーズで、ひろゆき氏が設立した電子掲示板「2ちゃんねる」。スレッドと共に利用者が増加し、2004年には訪問者が700万人を超える日本最大級の掲示板に成長。「半年ROMれ」「ソースくれ」などのネット用語を次々と生み出し、文字や記号などのテキストを使った“アスキーアート”も誕生した。さらに、ある男性の電車での出来事を書いたスレッドが「電車男」として映画化され大ヒットを記録するなど、その影響力はネットを飛び出し、現実世界にも社会現象を巻き起こした。

 日本のネット史に残る影響を与えてきた2ちゃんねるだが、なぜそこまでの一大ブームを築けたのだろうか。ニュース番組『ABEMA Prime』に、元熱狂的な“2ちゃんねらー”たちが集合。専用のスレッドを作り、放送を見ながらリアルタイムで書き込んでもらい、ひろゆき氏と共に、随時気になるトピックを拾い上げてZoomで話を聞いていった。

【映像】ゲストのために専用の「スレッド」を用意(画像あり)5分ごろ〜

 開口一番、ひろゆき氏は「匿名の大規模な掲示板自体は昔からいっぱいあった。僕が発明したものではない」とコメント。2ちゃんねる設立の経緯について「大学生のときに暇だったので『あめぞう』(※リンクや電子掲示板が集まったウェブサイト『あめぞうリンク』のこと)に出入りしていた。それを自分でも作ろうと思ったのが最初だ」と述べた。また、2ちゃんねるが成長した理由について「他の人がやらなかったからだ」と説明。

「アクセス数が増えて、サーバーのメンテナンスが大変だった、あの当時はインターネットのサイトは儲からず、広告もそんなに来ない時代だった。儲かりもしないし、トラブルも多いので、みんな掲示板の運営をやめていく中、僕はトラブルが好きだった。楽しんでやっていたところで、なんとか残り続けたので、結果として残っちゃった」

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 ひろゆき氏の同僚で、2ちゃんねる常駐は「2000年から」と話す前田地生さんは「ひろゆきさんには、大学時代に初めて会った。就職した会社で、ひろゆきさんが相談役にいて、その後もひろゆきさんが役員だった会社に合併されたり、ひろゆきさんが役員を務める会社の社員だったことがある」と出会いを説明。当時のひろゆき氏について、前田さんは「イメージのまんま。飄々とした感じもそうだし、皆さんへの優しさとかもそうだし、僕はメチャクチャ尊敬していた。あんまり褒めたくないけど。たまに2ちゃんねるさんと呼んでいた」と語った。

 2ちゃんねらー歴8年のnullhachi.さんは「大学生のときは夜通しやっていた。のめり込んでいたときは、1日に7時間から10時間やっていた」と明かす。

「周りにオタク文化を話せる友達がいなかった。2ちゃんねるで知り合って、話が通じる人に出会えた。そこで、絵を描くことが楽しいなと思って、実際に絵を描いて2ちゃんねるに投稿していた。絵を見た人の反応をF5(更新ボタン)を押しながら見ていて、それが面白かった。アスキーアートではない、普通の絵を投稿して、神になれる。『神降臨』と言われるのがうれしくて、ずっとやっていた。当時はリアルな生活より、神扱いされていたネットの方が楽しかった」

 また、2ちゃんねるには削除人をはじめとした、ボランティアも存在した。2ちゃんねらー歴21年のバーチャル2ちゃんねらー裕子さんは「削除人(※掲示板内の発言を削除する権限を持つ)がいて実際に請け負って発言を削除してくれたり、スレを立ててくれる人がいた。2ちゃんねるが成長したのは、そのシステムを作ったことも大きいのではないか。削除作業も一人だけでやるのは大変だ。ほかの掲示板は、ほとんどが一人で運営されていて、管理が行き届いていないイメージもあった。だから『2ちゃんねる』ほど広がらなかったのだろう」と話す。

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 2ちゃんねるユーザーの善意、ボランティアについて、ひろゆき氏は「当時はボランティアベースでサイトを回すことは当たり前だった」とコメント。

「元々インターネット自体、大学から広まっている。商業的に成立したのは2000年初期くらい。それまで商業として成立していなかった。なので、わりとボランティアベースでサイトを回すことが当たり前で、その文化をたまたま引き継いでいた。今だと儲かるので『社員を雇った方がいいよね』となるが、昔ながらのインターネット文化と、それを分かっている人たちが(2ちゃんねるには)けっこういた」

 さらに苦情などの対応について、ひろゆき氏は「僕がやっていた当時は、僕の電話番号を普通に書いていた。削除依頼掲示板のところに『本当に文句がある人は電話をかけてきてください』と普通に対応していた。今のネットのサービスレベルよりも高かったんじゃないかな」と告白。

「(書き込みは)ほぼ消すことはない。要は削除依頼のやり方自体が分からない人もいるので、そういう人は削除依頼に書いても削除されない。ただ、まともな人は、文章で削除のやり方が書いてあれば理解できる。その文章を理解できない人が電話してくるので、だいたい面白い。僕はおかしな人を相手するのが好きだ。そういう楽しみ方をしていた」

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 2ちゃんねるはなぜ人気だったのだろうか。人気Web漫画家で自身も熱狂的な”2ちゃんねらー”のやしろあずきさんは「僕は大学の入学式も、2ちゃんねるで集まった。2ちゃんねるをやっている人たちで『大学に入る前に仲良くなろう』と。集まるときの目印も、大学の入学式はスーツだから、スーツのポケットに『うまい棒』を指していくみたいな。そういう文化があった。あと、吉野家にみんなで行って、一気に牛丼をつゆだくで頼むオフ会に行っていた」と当時を振り返る。

「引きこもりだったときは、雑談引きこもり板というマジで学校に行っていない人しか集まらない板に常駐していた。当時の僕は友達が2ちゃんねるにしかいなかった。本当にキラキラしているジャンルから、ドブの中みたいなジャンルまであって、結局どこかしらに行き着ける掲示板が2ちゃんねるだった。ある種、僕の青春だった」

 一方、「2ちゃんねるはメディアの出演者などの悪口を書く文化も作ってしまった」という指摘に、ひろゆき氏は「そういう需要がもともとあって、2ちゃんねるが廃れた後、Twitterに書かれるようになっただけだ」と指摘。

「需要とそれを提供する側の問題で、当時は提供する人が僕しかいなかった。日本国内でやるとトラブルが多いので、今はTwitterだったりFacebookだったり日本で使われているサービスは全部外国が作ったサービスだ。日本でやると、いろいろなところで文句を言われて足を引っ張られるので、日本でやる人がいなくなって、外国のサービスにみんないってしまった」

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 その上で、ひろゆき氏は「デマに関しては、2ちゃんねるはすごく厳しかった」と話す。

「2ちゃんねるでいろいろあったが、基本的に2ちゃんねるのデマに流されたり騙された人はあまりいないはずだ。元々理系の大学生が多かった文化もあるが、根拠がない情報を出してくると『根拠は何なの』『ソースは何?』と、突くことが当たり前だった。今のTwitterをはじめとしたネット社会は、ソースがないものを平気でばらまいても、誰もそれを責めない。2ちゃんねるの文化の方がまともだったではないか。騙された人が騙されたまま放置されている状態がかなり多い。騙されている人って、自分が騙されていることも分からない。でも『それは助けた方がいいよね』といってくれる人もいない。困っている人は、ずっと困っているままなのかなと思うことがある」

 2ちゃんねる歴14年のアナログ王子さんも「今はインターネットが普及しているが、ある意味、自己責任論みたいなものは常につきまとっていると思う」と話す。

「ひろゆきさんの名言で『嘘を嘘と見抜けない人はインターネットを使うのは難しい』という言葉があるが、ある種、今もそこが根底にあるのではないか。この価値観は2ちゃんねるが生み出し、広めていったと思う」

 実際『ABEMA Prime』の放送中に寄せられた「匿名の怖さより、今Twitterとかで人となりが分かって、ガンガン攻めてくる人の方が怖い」とのコメントにnullhachi.さんは「相手の素性が割れているからこそ、逆にかわしにくくなっている」と指摘。

「今はTwitterでも、投稿者の顔が開示されていて、どういうことをやっているか、その人の素性が分かってしまうこともある。誰か分からないから無視していればよかったものを、相手の素性が割れているからこそ、逆にかわしにくくなっていると思う。自分が、その人を攻撃すると、誹謗中傷や名誉毀損にあたる。下手に攻撃できない、反撃ができないことが怖い」

 文化の変遷について、やしろさんも「2ちゃんねるだったら、こちらも匿名だったので、デマに対してズバズバ言えた」と述べる。

「お互い匿名だからこそ、間違っていると指摘したり、ソースを正しく言ったりできた。Twitterだとこっちも身分を明かしているし、向こうも身分を明かしている中、ある種の“殴り合い”が起きてしまう。それが怖くて、みんな『これはデマだよ』と言いづらい世の中になっていると思う。そういう意味では昔の方がデマが広がりにくかったように思う。2ちゃんねるでは、ネタだと分かる嘘は許されるが、デマは許されなかった。その空気がものすごくあった。面白ければいい。腹筋スレは、スレッドのタイトルでメチャクチャ嘘をついて『入ったらお前はその数だけ腹筋』みたいなスレだった。こういうネタとしての嘘は許されても、本当のデマはマジで許されなかった」

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 元2ちゃんねらーたちの議論を聞いた東洋経済新報社・会社四季報センター長の山田俊浩氏は「当時は、今よりネットの参加人数も少なかった」といい「2ちゃんねるがある意味、形を変えながら、今のネット文化に繋がっている。2ちゃんねるは、インターネットのさまざまな文化の実験場で、そこを生き延びてきたひろゆきさんはすごい。いっぱい攻撃を受けながら訴えられながらも、生き抜いてきたところがすごい」と称賛の声を送っていた。(『ABEMA Prime』より)
 

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