ライバルの追撃を振り切り勝利が確定すると、“マーメイド”はぎゅっと目をつぶった。プロ麻雀リーグ「大和証券Mリーグ2021」10月29日の第1試合、セガサミーフェニックス・魚谷侑未(連盟)が南3局の親満貫ツモでトップを逆転、今期2勝目を獲得した。
【動画】2勝目に笑顔の魚谷侑未
この試合の対局者はU-NEXT Pirates・石橋伸洋(最高位戦)、渋谷ABEMAS・日向藍子(最高位戦)、魚谷、KONAMI麻雀格闘倶楽部・高宮まり(連盟)の並びでスタート。東場は石橋にリードを許し、魚谷はそれを追いかけるというやや縦長の展開で進んだ。
勝負の流れが大きく動いたのは南1局、日向の先制リーチを受けた魚谷はドラ6筒が暗刻の勝負手。危険牌の7筒が対子になり、自然と日向の現物の九万を打ってタンヤオも付く手格好になると、もう魚谷の選択にオリはない。12巡目に追い付くと即リーチ。これを一発でツモってリーチ・一発・ツモ・タンヤオ・一盃口・ドラ3の1万6000点を獲得した。
その後、石橋に逆転を許すも、魚谷は南3局、ドラ2枚の手をうまく七対子にまとめ、これをツモで親満貫のアガリ、再逆転に成功した。南4局はまたも石橋が逆転を期すリーチで攻め込んできたが、魚谷は石橋から平和の1000点をアガって試合終了、今期2勝目をゲットした。
リーチ回数3回、そしてアガリも3回と、打った策がしっかり決まった。個人成績で低迷した昨期にはほとんど見られなかった、魚谷らしいリーチ攻勢によるトップだ。MVPを獲得した2019年のような伸び伸びとした戦いぶり、そして胸のすくような高打点のアガリは今期の好調ぶりを示している。
インタビューで魚谷は、南1局の倍満について「あまり難しい局面はなくて、たまたま手が良くて…」と運の良さを強調したが、昨期は誰もがアガれるような手がほとんど来ず、苦戦したのも事実だ。石橋とのアガリ合いで掴んだ勝利には「絶対トップが取れる保証はなかったんですが、今回は私に運が向いたなと思いました」と最後まで謙虚さは崩さなかった。
人並みに手が入れば、そのチャンスは決して逃さない。勝負は時の運だが、戦う姿勢は必ず作る。MVPに輝いた2019シーズンの魚谷はチャンス手を幾度となくメンゼンで育て上げ、リーチをかけ続けた。この日の魚谷は好調時の“泳ぎ”を思い出したかのような、思い切りの良い戦いぶり。復調はほぼ間違いなし、“最速マーメイド”が今期は躍動していきそうだ。
倍満、親満貫、そしてライバルの逆転リーチを退けるオーラスのアガリ。活躍に見とれた視聴者からは「このトップはデカい」「ゆーみん今季2勝目おめでとう」「セガサミピース! セガサミーフェニックス!!」とエールが多数投稿されていた。
【第1試合結果】
1着 セガサミーフェニックス・魚谷侑未(連盟)4万4800点/+64.8
2着 U-NEXT Pirates・石橋伸洋(最高位戦)3万1300点/+11.3
3着 KONAMI麻雀格闘倶楽部・高宮まり(連盟)2万5600点/▲14.4
4着 渋谷ABEMAS・日向藍子(最高位戦)-1700点/▲61.7
※連盟=日本プロ麻雀連盟、最高位戦=最高位戦日本プロ麻雀協会、協会=日本プロ麻雀協会
◆Mリーグ 2018年に発足。2019シーズンから全8チームに。各チーム3人ないし4人、男女混成で構成され、レギュラーシーズンは各チーム90試合。上位6チームがセミファイナルシリーズ(各16試合)、さらに上位4位がファイナルシリーズ(12試合)に進出し、優勝を争う。
(ABEMA/麻雀チャンネルより)







