大会初勝利の後に見せた笑顔は、女子高生そのものだった。女流による早指し団体戦「第2回女流ABEMAトーナメント」の予選Bリーグ第3試合、チーム西山とチーム渡部の対戦が11月13日に放送された。チーム渡部の内山あや女流2級は、大会最年少17歳で出場すると、この試合の第2局でチーム西山・上田初美女流四段に勝利。「浮かれてますけども、結構」と、満面の笑みで喜びを表現した。
内山女流2級は、2020年12月に女流2級となり、プロとしての戦いをスタートしたばかり。その中、渡部愛女流三段との接点から、この大会の選手に抜擢された。Bリーグ第1試合ではチーム加藤との戦いで加藤桃子女流三段に敗れ、香川愛生女流四段との対局では互角で終盤に入ったものの、痛恨の二歩で反則負け。本人にとっても、なんとか1勝を挙げて指名してくれた渡部女流三段に報いたいところだったろう。
上田女流四段との対戦は、先手番から居飛車・銀冠を採用し、四間飛車・穴熊を用いた相手との対抗形に。上田女流四段の得意戦法との真っ向勝負という様相になると、序盤・中盤とペースを握られた。それでも諦めずに鋭い指し手を連発すると徐々に挽回。終盤に入ったところではついに逆転すると、さらに冴えを見せ101手で勝利を収めた。直後には「勝ちました!とか言っちゃっていいんですかね(笑)浮かれてますけども、結構」とニコニコ状態に。渡部女流三段が「素晴らしい!」、レジェンドの一人・中井広恵女流六段からも「追い込みがすごい」と称えられると、監督を務めた広瀬章人八段からも「才能を感じる手が多かった」と高評価。先輩たちから褒められまくり、さらに笑顔が弾けていた。
なお、内山女流2級は第6局、第7局でも上田女流四段とぶつかり、ここでは連敗。結果“三番勝負”を1勝2敗で終えた。タイトル経験もある先輩との戦いを終えた後には「これまで公式戦でも1局も当たったことなかったんですけど、なんですかね、ちょっと仲良くなった気がします」と、おもしろコメントも。ファンからも「これは将来が楽しみな逸材」「本当にうれしってかんじ」「浮かれても許す」といった声が寄せられていた。
(ABEMA/将棋チャンネルより)