忘年会、年越しそば、おせち、年賀状、初詣など、恒例行事が多い年末年始。デパートでは、すでにお歳暮販売が始まり、食品ロスに着目したサステナブルな商品など、時代に合わせて変化している。しかし、今「お歳暮を贈らない」と答える人が約7割に到達するといったデータ(出典:暮らしニスタ)もあり、時代に合わない行事として文化が消える可能性も出てきた。 

年末年始の恒例行事どこまで必要? お歳暮は公然“賄賂”? 乙武洋匡氏「欲しいものを聞かずに贈るのはギャンブル」
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年末年始の恒例行事どこまで必要? お歳暮は公然“賄賂”? 乙武洋匡氏「欲しいものを聞かずに贈るのはギャンブル」
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 1年の感謝をモノで贈り合うお歳暮。ニュース番組『ABEMA Prime』では、「お歳暮はありか? なしか?」をテーマに議論するとともに、視聴者にアンケートを実施した。

【映像】初詣はあり? なし? ひろゆき氏の回答「カステラもそんなに」(15分ごろ〜)

 ネット掲示板『2ちゃんねる』創設者のひろゆき氏、作家の乙武洋匡氏、田端大学塾長の田端信太郎氏の意見は「なし」。一方で、曹洞宗宝林寺の千葉公慈住職、a.k.a.超無課金・eスポーツチームαD代表の石田拳智氏は「あり」だ。

 「あり」と主張する千葉住職は「これは単純に割り切れる問題ではない」とコメント。「今の私にとっては『あってもいいのではないか』ということでありにさせてもらった。あくまでも贈り物なので他人の価値観までこうだということまでは、なかなか強くは言えない。ただ、メッセージとしてはありでもいいのではないかという人間がいてもいいのではないか」と述べた。

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 ここで田端氏は「お歳暮は定番が決まっている。もらっても、別にそんないらないよっていう感じだ」と意見。

「クリスマスプレゼントがまだ残っているのは、クリスマスプレゼントが(お歳暮よりも)もっとパーソナルにその人を思い浮かべて『これだったら喜んでもらえるかな』と思って選んでいるからではないか。逆にお歳暮はしきたり通りのものを贈らないといけない。それだったら、もらってもうれしくないみたいなものをお互いがお約束で贈り合ってしまっていると思う。感謝を込めて何かプレゼントをするのを年に1回するという風習自体は、何らかの合理性はあると思うが、今やそれはクリスマスプレゼントに取って代わられている」

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 また、乙武氏は「恋人同士でさえ、相手の欲しいものを聞かずにプレゼントして、満足してもらえるかどうか。これはけっこうギャンブルだ。ましてや、お歳暮を贈り合うくらい、やや距離のある関係性の人に(お歳暮で)喜んでもらえる確率はもっと低いと思う。相手に喜ばれるものであるかどうかが大事ではなく、気持ちが伝わることが大事だという反論は当然あると思うが、だったらAmazonギフトでよくないかと思ってしまう」と話す。

 ひろゆき氏は「お歳暮は、お世話になった人に贈るしきたりだと思うが、去年お歳暮が来たけど今年は来なかったとなったら、何かしたかなと相手の人が困ってしまわないか」と住職に質問。千葉住職は「私はあまり実感ないが、そういう心配をされる方はいるかもしれない。私の場合はありがたいことに、贈ったり贈らなかったりがあっても『千葉さんだからかな』と言ってくれるので、私はそういう生き方をしたいと思っている。お歳暮以外にもタケノコがとれればタケノコを袋に入れて持って行ったり、夏にはナスがとれたら持って行ったりする。それほど厳密に縛られてはいない」と述べた。

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 お歳暮は、返す側の負担も考えなくてはいけない。田端氏は「贈る側ともらった側の負担でいうと、バレンタインと義理チョコの関係と似ていると思う」と言及。

「何の品物を贈るか問題は本当に悩ましい。その解決策としてカタログギフトとか、いろいろ出てくる。Amazonギフトもそうかもしれない。解決しようとすると、どんどん普通の現金や貨幣に近づいてしまう。悩ましいのはカタログギフトやデパートの商品券は“賄賂”のように見えて、それはそれで『もらっていいのか』と思ってしまう」

 番組司会のテレビ朝日・平石アナウンサーは「お歳暮の贈り合いは家族や親戚もあるが、上司や取引先も非常に多い」とコメント。

「会社を辞めた途端にピタッとこなくなることもよく聞く。それは、その人のポジションに対して、立場に対して、肩書きに対して贈られてきているだけだからだ。公然とした賄賂みたいなところはあるように思う。職業上、私はほとんどそのやり取りはないが、サラリーマンの世界では本当によく聞く話だ」

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 ひろゆき氏は「千葉住職がたまたまいいものが手に入ったから、これは喜ぶだろうとあげたいのは分かる」とした上で「ただ、マジでどうでもいいものを贈り合うのは住職的にも『良くない』ということでいいか。たとえば、住職のお知り合いが1000人くらいいて、毎年毎年サラダ油を500人から贈られてきたら『マジ勘弁して』と思わないか」と投げかける。

 千葉住職は「日本は形の文化と言われるが、その形として、心をどう込めるかが問題になってくる」と話す。

「形の文化はその都度考えなくてはいけない。考えずに楽に贈ろうとなると、それはもらう方もあまりうれしくなくなるし、毎年サラダ油500人分は困る。ただ、今はいろいろ引き取ってくれる方法がある。私の場合は近くの高齢者施設など、そういったところに使っていただける。あるいは修行道場などは何百人も修行しているようなところもあり、そういったところに(寄付もできる)」

 視聴者アンケートでは、なしが77%、ありが23%という結果になった。

■ SNS全盛時代に「年賀状」はあり? なし?

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 一方で、街中の若者たちは年末年始の恒例行事について、どこまで必要性を感じているのだろうか。

【街中で行った取材】
「年賀状とかは出してない。自分が出したら向こうも送らないといけないと思うんじゃないかとか、そんなのも考えたりしたらLINEの方がすぐ返ってくるし」(23歳・YouTuber)
「初詣は去年、初めて行って。今まで行ったことがなかった。(「なんで行っていなかったのか?」の質問に)えー、寒い」(20歳・会社員)
「おせち料理があんまり好きじゃないから食べられるのが少ない。数の子しか食べられない」(20歳・大学生)

 スタジオでは、平石アナウンサーが「年始の恒例SNS全盛時代に年賀状は『あり』か『なし』か」と出演者と視聴者にアンケート。ひろゆき氏、石田氏、乙武氏、田端氏は「なし」、千葉住職は「あり」とした。

 千葉住職は「年賀状の起源というのは非常に古い」と説明。

「もともと年賀の書き物でなく、どちらかというと挨拶をして回るものだった。例えば、年内は目上の人のお宅を回って歩く。年が明けると目上の人が若い人の家を回り、貴族の社会を中心に受け継がれてきた。年賀状という形になったのは、明治以降に官製はがきができてからで、これ自体は古くない。形骸化したものは変わるべきで内容も変わるべきだと思うが、ただやはりこれも1つの型として受け継ぐ人があってもいいと思う。今の私が考えるには必要だ」

 田端氏は「年末の忙しいときに年賀状を書かないといけないというのが、メチャクチャ心の片隅にある」と吐露。

「それでも書かなきゃいけないのかなと思っていたが、10年くらい前から一切やめた。来たものにも返事しなくても勘弁してもらおうと決めたら、すごく年末年始の心が軽くなった。怒られるかと思ったが、それで困ったことは何もなかった」

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 ひろゆき氏は「僕は高校のときから書いていない」という。「ずっと喪中と言い続けている。探せば僕の知り合いはだいたいどこかで死んでいると思うので。そういう意味でずっと喪中と言っている」と述べた。

 石田氏は「僕は小学校、13年前くらいに(年賀状は)流行っていて、好きだった」とコメント。「今はメールやLINEでやりとりができる。千葉住職も(普段は)手紙以外のやり取りをしていると思う。やっぱり伝えることが大事なので、伝えやすさでいうとLINEのほうが早くないかなと思う」と述べた。

 視聴者アンケートでも「なし」が約80%という多数を占める結果に。毎年、慣習として行う人も多いお歳暮や年賀状などのやり取り。時代に合わせてこれらも変化していくのかもしれない。(『ABEMA Prime』より)

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