今年は一味も二味も違う。プロ麻雀リーグ「大和証券Mリーグ2021」11月25日の第2試合で、U-NEXT Pirates・朝倉康心(最高位戦)が3連続ラスのトンネルを抜ける今期2勝目、試合後は精悍な顔つきで前向きに展望を語った。
この試合の対局者は朝倉、TEAM雷電・本田朋広(連盟)、赤坂ドリブンズ・鈴木たろう(最高位戦)、KONAMI麻雀格闘倶楽部・高宮まり(連盟)の並びで開始した。本田に先行される形で東場が終わり、朝倉は南1局、親番で反撃に出る。
朝倉はまず鳴きでライバルとの間合いを詰め、粘りに粘ってテンパイで連荘に成功すると、南1局1本場にはそのご褒美のようなツモで7巡目にリーチ。9巡目にツモってリーチ・ツモ・東・裏ドラの1万2000点(+300点)でトップ目に立った。
続く南1局2本場もリーチで3000点(+600点)のツモを決め、これで持ち点は4万点を超えた。流局を挟み、南2局4本場は鳴きで手作りを加速させると、トップを競る本田から2600点(+1200点)のアガリで、さらに差を付けた。南4局は親の高宮がノーテンとなり、朝倉のトップが決まった。
10月14日以来、久しぶりの勝利者インタビューに登場した朝倉は「(チームは今期)まだ4勝かって感じです。トップ率、8分の1。4分の1欲しいんですけど、せめて」と苦笑い。個人8戦ぶりのトップには「5連続ラスも経験しているので、3連続くらい『なんじゃ!』というくらい、今日は明るく打てたので、それが良かったと思います」と、結果には恵まれずとも、気持ちは負けていないことを力強く語った。
東3局、本田と鈴木にダブロンを放銃、本田へ1300点の放銃となったことに触れられると、「恥ずかしいですね。ダブロンって2人にロンといわれる可能性がある牌を切っているわけじゃないですか」と反省の色を見せたが、放銃自体は「後悔はない」と語り、選択には自信を持って戦えているようだった。
2018シーズンは錯チー、また昨期は誤ツモ発声によるアガリ放棄があった朝倉には、その度にメンタルの弱さが指摘され、また本人からもそれを認めるような発言があった。しかし今期、開幕前から「負けたらもう終わりだと思っている」という覚悟を持って臨み、その甲斐あってか序盤戦からレジェンド雀士・土田浩翔(最高位戦)からは「顔つきがいい、これまでと違う」と褒められるほど、精神面の向上が認められるようになった。元々、実力は折り紙付き。精神面で打ち手として大きく成長を見せている今期は、一層の活躍が期待される。
2019シーズンの覇者も昨期はまさかの7位敗退。優勝シャーレの奪還に、朝倉の力は欠かせない。トンネルを抜けた朝倉は「まだ60戦近くありますし、みんなで明るく頑張っていきます」とファンへ向かって進撃を宣言。これには視聴者から「応援したくなる」「今年のあさぴんは一味違うよな」「朝倉おめでとう~今日はゆっくり寝てな!」と応援コメントが多数投げかけられていた。
【第2試合結果】
1着 U-NEXT Pirates・朝倉康心(最高位戦)4万2900点/+62.9
2着 TEAM雷電・本田朋広(連盟)2万9200点/+9.2
3着 赤坂ドリブンズ・鈴木たろう(最高位戦)1万4200点/▲25.8
4着 KONAMI麻雀格闘倶楽部・高宮まり(連盟)1万3700点/▲46.3
【11月25日終了時点での成績】
1位 EX風林火山 +532.4(30/90)
2位 KONAMI麻雀格闘倶楽部 +349.8(32/90)
3位 KADOKAWAサクラナイツ +212.0(30/90)
4位 渋谷ABEMAS ▲42.0(30/90)
5位 U-NEXT Pirates ▲174.7(32/90)
6位 赤坂ドリブンズ ▲184.2(32/90)
7位 セガサミーフェニックス ▲229.3(30/90)
8位 TEAM雷電 ▲464.0(32/90)
※連盟=日本プロ麻雀連盟、最高位戦=最高位戦日本プロ麻雀協会、協会=日本プロ麻雀協会
◆Mリーグ 2018年に発足。2019シーズンから全8チームに。各チーム3人ないし4人、男女混成で構成され、レギュラーシーズンは各チーム90試合。上位6チームがセミファイナルシリーズ(各16試合)、さらに上位4位がファイナルシリーズ(12試合)に進出し、優勝を争う。
(ABEMA/麻雀チャンネルより)