24日、東京都の新型コロナウイルスの新規感染者数は5人で今年最少を更新した。
【映像】なぜ? 極端に低い日本の「R数値」(画像あり)※5分ごろ〜
一方、欧州では感染が再拡大している。感染者数は各地で最多を更新し、オーストリアでは全面ロックダウンも始まった。オーストリアのワクチン接種率は66%以下で、EU加盟国では最低基準にとどまっていることから、政府はワクチン接種を全国民に義務付けると決めた。
欧州で再び新型コロナが拡大する中、なぜ日本は感染者数を抑えられているのだろうか。この状況にNTT東日本関東病院の医師、ニコラス・レニック氏は「3つの理由がある」と話す。
「1つ目は、日本の国民性だ。(感染が再拡大している国は)マスクをしていなかった人がすごく多い。東京では、たとえ1日の新規感染者数が5人だったとしても、周りを見るとほぼみんながマスクをしている。外国人から見ると、感染者が少なくなったからと言って『もうコロナ収束だ、イエーイ』と騒ぐような国民性ではない。日本は慎重で『第6波がいつくるか』などの話ばかりだ。海外の感染状況を見ると、日本はどうしてすごいのか、どうやったら他国が真似できるかが注目されている」
「2つ目の理由は、ワクチンだ。当初、日本ではワクチン接種のスタートが遅かった。これによって未だに『日本はワクチン接種が進んでいない』と思っている人もいるかもしれないが、G7(フランス、アメリカ、イギリス、ドイツ、日本、イタリア、カナダ)の括りで見ると、もう接種率は日本が1位に到達している」
実際に「人口に対するワクチン接種(※2回)済みの割合」を見てみると、1位の日本が76.54%、2位にカナダ(75.88%)と続いている。レニック氏は「元々の国民性に加えて、ワクチンの相乗効果があった」といい、これらは死亡率にも反映されているという。
「100万人あたりの新型コロナによる死亡率を見ても、日本は極端に少なくなっている。感染者数は検査の数にも左右されるが、日本は死亡率の低さが成果としてしっかり数字が出ている。ワクチンの開始時期は遅かったが、日本はデルタ株が出たタイミングで大規模にワクチンを打ったこともあり、抗体レベルがまだ高いと言える。タイミング的にも良かったのではないか」
また、3つ目の理由として、レニック氏は「実効再生産数(R数値)」に言及。
「R数値がどういうものか。確かに、日本はマスクやワクチンなどの対策は他国と比べてよくできている。だが、なぜ他国と比べて100倍もの差が開いているのか。R数値の動きが他国と違うからだ。R数値は、要するに1人のコロナ患者が、どれくらいほかの人を感染させるかを調べた数字。R数値がずっと『1』であれば『1』のままだが、2の国では4、8、16、32……と感染者は増えていき、『1』と『2』の差が膨大な数になる。『1』を超えるかどうか、これには天と地の差がある。R数値が少しでも『1』を下回っていることが大事だ」
新型コロナウイルスワクチンの3回目の接種をめぐっては、厚生労働省でも具体的な検討が進んでいる。3回目のワクチン接種について、発熱外来を担当する医師であるレニック氏は「接種から6カ月ほど経つと、ある程度抗体レベルが下がり、R数値が少しずつ上がっていく傾向がある。やはりブースター接種は必要だと思う」とコメント。実際に「12月〜1月に接種する予定」だと明かした。(『ABEMAヒルズ』より)
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