リーダー伊藤沙恵女流三段「とても幸せでした」と涙 絞り出した言葉に仲間・ファンがもらい泣き「青春だなあ」「素晴らしい大会」/将棋・女流ABEMAトーナメント
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 決して口数が多い方ではないリーダーが、チームの終わりを迎え、涙を堪えきれなかった。女流による早指し団体戦「第2回女流ABEMAトーナメント」の本戦トーナメント準決勝・第2試合、チーム加藤とチーム伊藤の対戦が11月27日に放送され、チーム伊藤はスコア3-5で惜敗した。リーダー伊藤沙恵女流三段は1勝1敗だったものの「リーダーは全勝しなければいけない役割」と語ると、大会を振り返るコメントを求められ「本当に私自身は、あの…」と続けたところで、みるみる涙で溢れた。これにはチームメイトの室谷由紀女流三段、石本さくら女流二段がもらい泣き。ファンからも「もらい泣きした」「素晴らしい大会」「青春だなあ」といったコメントが大量に送られた。

【動画】試合後には全員が号泣したチーム伊藤

 言葉で引っ張るタイプではない。戦い様と結果で責任を果たす。自分がそういうタイプだと自覚があるからこそ、チームを勝利に導けなかったことが悔しくもあり、そのチームの最終戦になったことで、どんどんと涙が押し寄せた。タイトル経験はないものの、女流棋界ではトップクラスの実力を誇り、個人戦だった第1回大会の優勝者でもあった。ムード作りは室谷女流三段に任せると、チーム戦の雰囲気にも少しずつ慣れ、作戦会議室で交わす言葉も多くなっていた。試合を重ねるごとに気心が知れ、結びつきも強くなったからこそ、準決勝がチームの終わりになると「このチームで戦えてとても幸せでしたし、我ながらとてもいいチームだったんじゃないかと。本当に私としては最高のチームだったので、ここまで戦えて本当にうれしく思います」と、涙ながらに話し続けた。この様子に横で話を聞いていた室谷女流三段、石本女流二段も目が真っ赤に。それほど人前で感情を出す性格ではないことを知っているだけに、余計にリーダーの涙が胸に響いた。

リーダー伊藤沙恵女流三段「とても幸せでした」と涙 絞り出した言葉に仲間・ファンがもらい泣き「青春だなあ」「素晴らしい大会」/将棋・女流ABEMAトーナメント

 伊藤女流三段の戦いぶりは、十分にリーダーに値するものだった。予選1位突破の原動力となり、この準決勝でも第2局で敗れた香川愛生女流四段に対して、第6局でしっかりリベンジに成功。「個人としてもやはり同じ相手に2回は負けたくない」と、一時はスコア3-3に戻す大きな勝利を手にしていた。ただ、ここから仲間が2連敗。自身の3局目を迎える前に決着がついてしまったが、それも自分が全勝できなかったから招いたことと受け止める。それが「リーダーとしては全勝しなければいけない」という言葉にもつながった。

 もともと団体行動すら、あまり得意ではない性格である伊藤女流三段。ただ、この団体戦3試合や、チーム動画の収録などで過ごした時間は、今後の女流棋士人生に大きな影響を与えるはず。個人での公式戦の舞台に戻った後も、仲間たちと戦った時間は忘れない。

◆第2回女流ABEMAトーナメント 第1回は個人戦として開催され、第2回から団体戦に。ドラフト会議で6人のリーダー棋士が2人ずつ指名し、3人1組のチームを作る。各チームには監督棋士がつき、対局の合間にアドバイスをもらうことができる。3チームずつ2つのリーグに分かれ総当たり戦を行い、上位2チームが本戦トーナメントに進出する。対局は持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールール。チームの対戦は予選、本戦通じて、5本先取の9本勝負で行われる。
(ABEMA/将棋チャンネルより)

【動画】笑顔が耐えないチーム加藤の3人と渡辺明名人
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