3回目ワクチン接種に「また寝込むのは嫌」の声…医師「今から“オミクロン株”に備えて」
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「2回目の時、高熱・倦怠感で2日程寝込んだけど、またそうなると嫌だな」
「従来のワクチンがオミクロン株に効果があるかどうかも分からないうちに3回目とは…。」
(※SNSに寄せられた声)

 新型コロナウイルスのワクチンを2回接種した人が80%近くまで伸びる中、3回目の接種について、ネットでは拒否反応を示す声が寄せられている。3回目の接種についてどう考えるべきなのか。ニュース番組「ABEMAヒルズ」のコメンテーターで、日本と海外、双方のコロナ事情に精通する医師のニコラス・レニック氏に話を聞いた。

「これについては幸いなことに明確なデータがすでに外国からあって、副反応に関しては2回目と同じくらいです。2回目より(副反応が)強いことはなかなかないです。ただ『2回目と同じか…』や、逆に『嫌だな』と思う人もいるかもしれないですけど、何事もやるデメリットとそれによって得られる良いことを考えるべきだと思います。ブースター接種に関しては、2回目の接種の後に低下してきた免疫を元に戻すというものではなくて、それより抗体の量を5倍から10倍に引き上げてブーストするようなものです」(以下、レニック氏)

 そして、8日、オミクロン株への効果についてファイザーが初期段階の研究結果を公表。2回目のワクチン接種では、従来のウイルスに比べると効果が大幅に減ったものの、3回目の接種では2回目に比べ有効な抗体が約25倍になり、従来のウイルスの2回目接種と同程度になったという。

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 ただ、このブースター接種については、政府の対応も定まってない。岸田総理は6日、追加接種について、オミクロン株の広がりを踏まえ「2回目との間隔を8カ月からできる限り前倒しする」と表明していた。

 一方、追加接種ではファイザーとモデルナあわせて1億7000万回分が供給されるものの、来年1月以降、順次輸入されるため、後藤厚労大臣は「現状で全国民を対象に接種間隔の前倒しを一律に行うことは困難である」と説明。1回目と2回目用に確保したワクチンがあわせて3100万回分余っているため、これを活用して速やかに進めたいとしている。

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 前倒しとなった場合、自治体の準備も間に合うのかといった課題もある中、レニック氏は「まずは高齢者から対象にするなど、とにかく今できることを進めるべきだ」と訴える。

「ある程度混乱があったとしても、供給が枯渇する寸前までは接種するべきだと思います。水際対策のおかげで、とりあえず今は日本で(オミクロン株の)市中感染はない状況。そのうちにブースターをたくさん接種する機会が与えられているので、それをぜひ使いたいですね。1人でも多く今のうちに接種することによって、あとでオミクロン株が拡大した時に利益になりますので、今は少し混乱があっても、できることをやってほしいです」

 ほんの3カ月ほど前まで、各地で多くの感染者を記録し、自宅療養中に死亡する人も相次いでいた日本。感染者の少ない今だからこそ、先を見据えた対策が必要なのかもしれない。もし、3回目の接種者が少ない場合どういうことが想定されるのか。レニック氏は次のように話す。

「例えばイスラエルのように2回目の接種率が高かったが、その後、みんなの免疫力が低下したときに、また大きな感染の波がきました。なので、『とりあえず2回目やったから終わった』というのではなくて、今のデータだと3回目(接種)を終えることによって、本当にやっと確たる防御ができるというような考え方でいいと思います。特にブースターで誤解が多いのが、3回やったところで、また6カ月後にやってと同じことを繰り返しているように感じるところもあると思いますが、それはまったく同じことを繰り返しているわけではないです。新たな変異種が出て従来のワクチンが効きにくい場合『4回目、5回目のワクチンが必要かもしれない』ということです」(『ABEMAヒルズ』より)

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