開発途上国の人たちに日本の技術を学んで母国の経済発展を担ってもらう「外国人技能実習制度」。しかしその実態は、人手不足を補う「労働力」となっており、後を絶たない「失踪」も社会問題となっている。
 失踪、そして解雇を経て、日本で働きながら子育てをしようとする元技能実習生の夫婦の歩みと、ベトナム人の支援に取り組む人たちの姿を追った。(瀬戸内海放送制作 テレメンタリー『ともに この国で』より)
 岡山市にある、「むき甘栗」などのレトルトパウチを製造する食品会社の工場。ここで去年12月からで働いているベトナム人のグエン・スアン・チュンさん(22)は、この会社に雇われる前、行き場を失ったベトナム人を支援する団体の施設にいた。技能実習生として働いていた会社から“失踪”したためだ。