極真空手出身のニューカマーが繰り出した戦慄の左ハイ。特有の見えない軌道で顔面にまともに被弾した相手は激しく脳を揺らされ、衝撃の反動で体が不自然な“逆九の字”状態でぐにゃり。そのままリングに叩きつけられる衝撃失神KOにすぐさま担架が投入されると、解説席から「恐ろしいKO」と驚きの声が上がった。
【映像】不自然な方に“ぐにゃり” 衝撃の左ハイKO
12月18日に東京・後楽園ホールで開催された「Krush.132」。初参戦の与座優貴(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)と蓮實光(パラエストラ栃木)の一戦は、2ラウンド開始直後に与座の空手仕込みの左ハイが蓮實の顔面に炸裂。死角から飛び出した恐怖の一撃に解説陣も「蹴りが当たった瞬間に飛ぶ恐ろしいKO」と衝撃のラストにコメントをした。
極真空手出身でこの日がK-1グループ初参戦となる与座と、総合格闘技やミャンマー・ラウェイなどの経験もある蓮實との対戦。序盤はハードバンチャーで知られる蓮實に対して、距離を取りながらローや変則的な回転蹴りなど極真会館2017年第6回世界ウエイト制の軽量級で優勝を飾った実力の片鱗を見せる与座。至近距離で蓮實のパンチの連打を受けるもこれをガッチリとガードし、K-1ルールへの適応力も見せる。パンチの蓮實とキックの与座という特徴の分かりやすい構図でラウンドが進むが、徐々に与座がペースを握る。ローキックやミドルから離れ際にボディへとパンチを叩き込むなど、距離感を掴み始めたところで1ラウンドを終える。
2ラウンド、与座は前ラウンドよりも前に出て相手に対峙しはじめる。蓮實のワンツーにも顔色ひとつ変えずにじりじりと前進すると、衝撃のクライマックスは突然訪れた。
与座が放ったボディへのミドルに蓮實がカーフで応じると、蓮實のガラ空きの顔面めがけて左のハイを一閃。独特の軌道から咄嗟にミドルのガードを固めた蓮實は、弓のようにしなる変則的なハイを読み切れず、まともに顔面被弾。衝撃の反動で上半身が逆方向にぐにゃりと曲がった蓮實は、そのまま後頭部からマットに叩きつけられ失神KOを喫した。
衝撃のラストにABEMAで解説を務めた石川直生が「軌道を変えましたね。目の前で消えたという感覚でしょうね。一瞬遅れてくる掛け蹴りの一つのパターンですね」と指摘。リプレイ映像を見ると、一瞬ミドルのような軌道から、角度を変え左足が蓮實の首からアゴにかけて到達する見事な蹴り。衝撃の大きさは、倒れる直前に反動からぐにゃりと捻じれた蓮實の様子が物語っていた。
さらに石川は「(この蹴りは)脳が無防備になるんですよね、見えてない。死角で貰ってしまうと、ああいうふうに倒れてしまう。蹴りが当たった瞬間に飛んじゃってますよね、恐ろしいKOシーンでした」と初参戦の選手が披露した衝撃のKOシーン、技術の高さを称賛した。
なお蓮實は、後日ファンからの「危なそうな倒れ方に見えましたが大丈夫でしたか? ゆっくり休養してダメージ抜いて下さいね」との声に対して「ありがとうございます。ゆっくり休みます!!」と返信。無事であることを報告している。