一門は結婚ラッシュ 井上慶太九段、未婚の弟子・菅井竜也八段の裏話「稲葉さんはしないでしょと言っていた」
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 棋士、奨励会員を合わせ総勢22人という多くの弟子を抱える井上慶太九段(57)。名人挑戦経験がある稲葉陽八段(33)を筆頭に、タイトル経験があり順位戦A級の菅井竜也八段(29)ら、棋士だけでも6人の弟子がいる。将棋界の名伯楽の一人に数えられる井上九段が、「第1回ABEMA師弟トーナメント」に、稲葉八段とタッグを組んで出場することになった。「稲葉君とチームを組んでチーム戦に出られるのは非常に楽しみです。まだまだ現役というところを見せたいです」と意欲を燃やす。自分から見れば子どものような弟子たちだが、今年は稲葉八段、出口若武五段(26)が相次いで結婚。勝利の報告とは別の形で目尻を下げ続けることになったが、そこには菅井八段のおもしろ裏話もあった。

【動画】弟子たちへの思いを語る井上慶太九段

 井上九段にとって、稲葉八段は小学校低学年から見守ってきた、まさに子どものような存在だ。「本当にたくましい子に育ってくれて、頼りにしています。(大会の)フィッシャールールは、私はほとんど経験がないので、教えてもらおうと思っています」と、棋界屈指の強者に育った子に従うつもりだ。ただ、練習の相手に棋士はちょっとハード過ぎる。「プロの弟子はちょっと…。奨励会の子に相手してもらいます」と笑った。

 弟子を取り始めて、もう20年ほどになる。プロを目指す子どもたちも中学生、高校生など、いろいろだ。「昔と違いますから。時代に合わせていかないといけないと思います」と、考えることも多い。育てる上で大事にしているのは、技術面よりも礼儀作法。「相手に迷惑をかけない、というところはきっちりやってほしい。そのへんは一番意識しています」と、人としての成長を重んじる。

 そんな思いが通じてか、健やかに成長した稲葉八段が1月、出口五段が4月に結婚した。「2人とも、まさかという感じでしたが、さらに充実しましたね。もともと才能はあると思いましたが、落ち着きが出てきました」。そこでおもしろかったのが、年齢としては2人の間にいる菅井八段の反応だ。「菅井君が一番焦っているのかなと。ちょっと前に『稲葉さんはすることないでしょ』とか、言うてましたから(笑)。その時、もう結婚することは知っていたので、なんと言っていいのやら。ホンマに(笑)」。

 初開催の師弟トーナメント。多くの弟子から声援を受けての出場になる。「同世代の師匠と対戦するのも楽しみですし、弟子の方とも当たるなら金星をあげたいです」と、やる気は十分。1勝を挙げるごとに、一門が結婚式に負けないくらい大いに盛り上がる。

◆第1回ABEMA師弟トーナメント 日本将棋連盟会長・佐藤康光九段の着想から生まれた大会。8組の師弟が予選でA、Bの2リーグに分かれてトーナメントを実施。2勝すれば勝ち抜け、2敗すれば敗退の変則で、2連勝なら1位通過、2勝1敗が2位通過となり、本戦トーナメントに進出する。対局は持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールール。
(ABEMA/将棋チャンネルより)

【動画】弟子の少年時代を笑って振り返る井上慶太九段
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【動画】弟子たちへの思いを語る井上慶太九段
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