低い位置からねじ込んだ強烈なレバーショットに敗者が顔をしかめて悶絶。さらに衝撃KOの直後、勝者が予想以上の大号泣を見せると放送席から「泣きすぎだろお前w」とツッコミが飛んだ。
12月17日にシンガポールで開催されたONE Championship「ONE: WINTER WARRIORS II」でケビン・ベリンゴン(フィリピン)とクォン・ウォンイル(韓国)が対戦は、クォンのボディショットにベリンゴンが悶絶してKO負け。戦意喪失からの“嫌倒れ”が恒例となってしまったトップ選手の失速ぶりにファンからは「明らかに弱くなってる」「世代交代か」と落胆の声があがっている。
元王者のベリンゴンはここ最近、3連敗と陰りが見え始めている。前回のジョン・リネカー戦では"石の拳”の衝撃に耐えられず自らダウンする“嫌倒れ”負けの失態を演じており、強打のクォンを相手に悪夢を払拭したいところだ。
1ラウンド、クォンは長い手足を活かし前蹴りやミドルで前に出ながらプレッシャーをかけ続ける。一方のべリンゴンは、得意のカーフキックで足を止め、スタンドの攻防を避ける戦術だ。1ラウンド中盤、クォンが的確にボディへパンチをねじ込むと、これを嫌ったべリンゴンが逃げ腰の姿勢に転じ始める。ABEMAで解説を務めた大沢ケンジも「べリンゴン、パンチを怖がってますね。頭を下げてしまう」と指摘。
状況を理解しているクォンが逃げるベリンゴンのボディにミドルキックやヒザを集中させていくと、明らかに失速した元王者に視聴者からも「どうしちゃったんだ」「あきらかに弱くなってる」など、心配の声が聞こえ始めた。
2ラウンド、自信を深めたクォンはひたすらボディ攻撃を続けていく。中盤クォンが低い位置から狙いすましたレバーショットを叩き込むと、べリンゴンの表情が明らかに一変。顔をしかめ、腹をおさえたベリンゴンは悶絶ダウンでうずくまった。
再び戦意喪失の“嫌倒れ”で試合を終えた元王者に視聴者からは「世代交代か」「心が折れた」「あれは痛い」「下からのパンチで息が止まった」「血尿が出るボディ」など、常にトップ戦線に君臨していたべリンゴン時代の終焉を感じさせるコメントが並んだ。
豪快にマットに沈んだベリンゴンと対照的だったのは勝者のクォン。マットに手をついて喜びを爆発させると、声を張り上げて大号泣。余りにもエモすぎるリアクションに視聴者からは「感情が爆発してる」「泣きすぎw」との反応が続出。ABEMAで解説を務めた大沢ケンジも「泣きすぎだろお前w 3連敗の男に勝っただけだぞ」と思わずツッコミを入れた。実況を務めた西達彦アナウンサーは「これだけ喜んでくれたら嬉しいでしょうね」と冷静に勝利を祝福した。
気を良くしたクォンはテンションを抑えきれずマイクを取ると「オレが新世代だ! 次はタイトルへ挑戦させて欲しい」とまくし立てるようにアピール。ジョン・リネカーなど強豪の名前を挙げた。しかし、今成正和、松島こよみ、佐藤将光ら日本の3選手に1本負けを喫しているクォンだけに、この1勝で、飛び級でのタイトルショットはやや無理筋というもの。大沢は「2戦前に佐藤選手に完璧にチョークを取られて負けてますからね。タイトルは…」と疑問を呈した。