竜王戦の2組ランキング戦の1回戦が12月28日に行われ、深浦康市九段(49)が斎藤慎太郎八段(28)に130手で勝利、2回戦に進んだ。昨期の名人挑戦者で、今期も順位戦A級で単独トップを走る“西の王子”を相手に、劣勢で迎えた終盤で形勢逆転。来年50歳になるベテランが、熱さと気迫で年納めの大きな1勝をもぎ取った。
【中継】竜王戦2組 ランキング戦 深浦康市九段 対 斎藤慎太郎八段
斎藤八段の先手番で始まった一局は相掛かりの出だしになると、両者ともに流行の中住まいで戦うバランス型で進行。序盤から中盤にかけては、深浦九段が積極的に相手陣に踏み込んだものの、駒損が響き不利、もしくは劣勢が長い時間続いた。夜戦に入り、厳しい寒さに室内ながらマフラーを巻きながら逆転のきっかけを作るべく厳しい攻めを続けると、終盤に入ったところでついに逆転に成功。長いキャリアの中でも、最後まで諦めない精神で何度も逆転勝利を飾ってきたベテランが、斎藤八段の最後の粘りを振り切り、本戦出場に一歩前進した。
深浦九段は、元タイトル保持者で最年少四冠を達成した藤井聡太竜王(王位、叡王、棋聖、19)に勝ち越している数少ない棋士。“将棋星人”と言われるほどの強さを誇る藤井竜王に対して、地球を守る“地球代表”と呼ばれる深浦九段。久々のタイトル挑戦が、この竜王戦となれば、将棋ファンが盛り上がること間違いなしだ。
(ABEMA/将棋チャンネルより)