レトロなシャンデリアに、至る所に並んだ人形――。東京・高円寺に店を構えるショップ「カワイイカルト」を経営するのは、仮面を身に着けた女性人形作家でファッションデザイナーのmillnaさんだ。
ニュース番組『ABEMAヒルズ』は、そんな彼女の“知られざる素顔”に迫る。まずは、仮面をつけるようになったきっかけについて、話を聞いた。
「顔を出すとあまり人間扱いされないというか……当時容姿にコンプレックスがあったので顔を出したくない。顔を出すと色々言われるじゃないですか。嫌だなと思っていて。美少女着ぐるみや着ぐるみに出会って、仮面自体が可愛いとめっちゃ(気分が)上がるなと思って、この人形の仮面(をつけるよう)になっていきましたね」(以下、millnaさん)
外見にコンプレックスを抱え、人前で素顔を見せたくなかったと話すmillnaさん。現在もイベントなどの大事なシーンでは仮面をつけて、“もう一人の自分”として活動を行っているそうだ。仮面をつけているときの心境や行動の変化ついて、millnaさんはこう明かす。
「仮面を被った瞬間に動作が変わるって言われますね。自覚はないですが、多分私の中では変化が起こっていて……すごく派手なメイクをしたときやドレスを着たときって、背筋が伸びてしゃんとすると思うんですね。そういう変化が私の中で起こって、『今、私は“私の理想”になっている』っていう気持ちになるのかなと思います」
大学在学中にクリエーターとしての活動を始めたmillnaさん。3Dプリンターで製作した仮面や人形を手がけ、日本のみならず世界からも注目されるクリエーターになった。そんなmillnaさんが、自らのSNSなどで発信し続けている言葉がある。
「選べなかった身体 デコって自分にしてこ」
この言葉を使う理由について、millnaさんはこう語る。
「生まれ持ったこの体って、“ありのままの体”と言われるじゃないですか。でも、それって嘘で、この体って“選べなかった体”なんですね。何ひとつとっても、自分自身で望んで選んだものってないんですよ。そういうときに絶望するんじゃなくて、デコればいいと。この生まれ持った体に縛られるんじゃなくて、それこそバーチャルの体を着たVTuberでもいいし。お化粧したり、加工したり、華やかなファッションを着たりするのと並ぶ感じでデコって、『自分の魂のカタチに体を変えていこう』みたいな意味で使ってます」
仮面をつけた自分がそうであるように、技術が発達し多種多様な「もう一人の自分」を作れる今の時代は「誰もがなりたい自分になれる時代だ」と話すmillnaさん。その思いを体現しているのが、彼女がプロデュースした“着る人形”「橋本ルル」。着ることで誰もが可愛くなれるというこの人形は、彼女の目指す世界そのものを象徴する存在だ。
「『人間が人形になれる』ということに基づいて、ファッションモデルとして活動していたプロジェクトです。『今までは、人形になるなんて叶うわけがない夢だった』というコンセプトです」
仮面を身に着け活動する中で、いつしか「人形になること」が目標になったというmillnaさん。選べなかった体に苦しまず、“なりたい自分”を目指してほしいと話す。
「『選べなかった身体 デコって自分にしてこ』に全部集約されてますけど、『選べなかった体で生きなければならない』とは思わなくてもいいはず、ということを1番言いたくて。みんな“ありのままの体”に苦しまないで(ほしい)。なりたいものにはなれるし、どうとでもなるし、色々ともっと『自由にいけんじゃね』みたいな感じです」
(『ABEMAヒルズ』より)
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