1日からオーストラリアで熱戦が繰り広げられている世界テニス国別対抗戦「ATPカップ2022」の5日目。自らのプレーにいら立った選手がラケットをコートに何度も叩きつけて完全破壊するシーンに現地中継が注目。「今大会で初めてラケットを破壊した(折った)選手」として言及する一方、ABEMAで解説を務めた佐藤文平氏が「ラケットのせいではない。大切に扱って」とコメントしたことを受け、視聴者からは共感の声が寄せられた。
グループA、ノルウェー対チリの対戦。シングルスの2戦目に登場したのは、ノルウェーのドゥラソビッチとチリのタビロ。第1セットを先取したタビロだったが、第2セットはドゥラソビッチの粘りの前に苦戦し、惜しくもセットを落としてしまう。タビロのリターンがアウトとなった直後「パチン、パチン、パチン」と会場に乾いた音が響き渡った。
このセットをタイブレークの末に6-7で落としたタビロが、自らのプレーにいら立つあまり、左手に持ったラケットを再三コートに打ちつけると、ラケットは見るも無残な姿に…。さらにベンチに憮然とした表情で引きあげたタビロは、破壊したラケットを投げつける行為に及んだ。
その姿を見た佐藤氏は「セカンドセット、リードもしていたので(タビロにとっては)是が非でも欲しいセットだった。それに伴って、ストレスを非常に溜めながらプレーしたのだと思う」とタビロの心境に理解を示す一方で「ラケットのせいではないんですけどね。このあたり、気持ちがわからなくもないが、ラケットを大切に扱って欲しい」と本音をこぼした。
佐藤氏は2012年、日本が初出場を果たしたATPワールドチームカップ(デュッセルドルフ大会)に日本代表として出場。2013年には全日本テニス選手権のダブルスで優勝を果たすなど、プレイヤーとしての実績も十分。選手の気持ちには理解を示しつつも、思わず漏れた本音に視聴者からは「ラケットは大切に」「ラケットも解せぬ」「メーカーも涙」などの反響が多数寄せられた。