7日に行われた世界テニス国別対抗戦ATPカップ、スペイン対ポーランドの試合では、試合中に選手がまさかの「もぐもぐタイム」を導入!? 珍しいシーンが見られた。
問題のシーンはダブルスの試合で起きた。スペインはシングルスでツアーレベルの活躍をしているラモスビノラスとマルティネスのペア。ダブルスの目立った実績はなく、二人でペアを組んだのも昨年の全米オープンのみという即席ペア。対するポーランドはツアーでダブルスを回り、二人でツアー準優勝を経験したこともある、いわゆる「ダブルス専門職」の二人、ワルコーとジーリンスキ。なかなか日の目を浴びないダブルス専門職にとって、ATPカップは大観衆の前でプレーできる絶好の機会。即席ペアに簡単に負けるわけにはいかない。
しかし、試合はポーランドが1stセットを落とし、劣勢に。迎えた第2セット、ジーリンスキが時間を作ろうと返したボールが大きく浮いてしまい、アウト。ここでフラストレーションがたまってしまったジーリンスキがラケットを地面に叩きつけてしまう。
ここまではテニスを観戦しているとたまに見かける光景だが、ここからが違った。跳ね返ってきたラケットをキャッチすると、そのままラケットの面をガブッと噛んだ。この間わずか5秒の出来事だった。
フラストレーションを解消するための新たな方法だったのか、叩きつけてしまったラケットに対しての謝罪の意味だったのかは分からないが、ラケットに愛着があるのは確かだろう。試合を中継していたABEMAの解説を務めた佐藤文平氏も「一番平面で(ラケットを地面に)当てているので折る気はない投げ方」とコメントしている。
試合はラケットを噛んだジーリンスキが、マッチポイントでリターンエースを決めて逆転勝利。ポーランドはチームとしては準決勝敗退となったものの、ダブルス専門職の二人がテニス大国スペイン相手に一矢報いる形となった。
1週間以上にわたって熱戦が繰り広げられたATPカップも残すところ2日となった。全豪オープンを前に弾みをつけるのはどのチームになるのか。目が離せない戦いが続く。