将棋のALSOK杯王将戦の七番勝負第1局が1月9日に行われ、渡辺明王将(名人、棋王、37)と藤井聡太竜王(王位、叡王、棋聖、19)が午前9時から対局を開始した。4連覇を目指す渡辺王将に対し、藤井竜王は最年少五冠を目指すシリーズ。将棋界にある8つのタイトルのうち、2人で7つを占める頂上決戦が、いよいよ始まった。
【動画】昨年、棋聖戦でタイトルを争った藤井聡太竜王と渡辺明名人
渡辺王将は、2000年4月に四段昇段、史上4人目となる中学生棋士としてプロデビュー。竜王戦1組(1組以上:16期)で、第79期名人(A級以上:12期)。現在は三冠保持者で、タイトル獲得数は歴代4位、現役2位の通算29期を誇り、棋戦優勝も11回を誇る。竜王戦、王将戦、棋王戦と冬に行われるタイトル戦で抜群の成績を収めていることから「冬将軍」の異名を持つ。また盤を離れたところでは、エンターテイナーとしてもファンを楽しませている。
藤井竜王は、2016年10月に史上5人目の中学生棋士、最年少14歳2カ月に四段昇段しプロ入り。第34期竜王(1組以上:1期)で、順位戦はB級1組。現在最多の四冠保持者で、タイトルは通算6期。棋戦優勝は5回。タイトル戦は、過去6回の出場で全て獲得し、成功率100%だ。昨年、竜王を奪取したことで棋士の序列1位にもなり、このシリーズに最年少五冠の記録がかかっている。
両者の対戦は過去に10局あり、藤井竜王が8勝2敗と大きくリード。タイトル戦では、昨年のヒューリック杯棋聖戦五番勝負で、藤井竜王が3連勝で防衛を果たしたが、直近では早指しの銀河戦準決勝で渡辺王将が勝利、連敗を5で止めた。
持ち時間は各8時間の2日制で、振り駒の結果、先手は藤井竜王。第2局以降は交互に先手・後手が入れ替わり、最終第7局まで進んだ場合は、改めて振り駒となる。
(写真提供:日本将棋連盟)