ノアで同じ時間を過ごした4人の再会 試合後にザック「オモシロイネ!」 新たなストーリーの予感も
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 1月8日、横浜アリーナにおける新日本プロレスvsプロレスリング・ノアの対抗戦の中で他の試合とは趣が違ったのがザック・セイバーJr.&金丸義信と丸藤正道&小川良成のタッグマッチだ。鈴木軍vsノアの対抗戦だが、ノアのファンにとっては懐かしい再会マッチに映ったに違いない。

【視聴する】1・8『WRESTLE KINGDOM「新日本プロレス vs プロレスリング ・ノア」』

 金丸は丸藤、小川と同じノア旗揚げメンバー。さらに遡れば3人は全日本プロレス出身で、一番の先輩は85年9月デビューの小川、次が96年7月デビューの金丸、丸藤は98年8月28日の岡崎市体育館で金丸の胸を借りてデビューした。金丸は丸藤にとって目標とする先輩だったのだ。

 今でこそウイスキーの瓶を片手にやりたい放題の金丸だが、初代GHCジュニア王者であり、同王座に就くこと計7回。かつてはノア・ジュニアの象徴だった。13年12月末にノアを退団して古巣・全日本へ。15年12月末に全日本を退団して16年1月にフリーとしてノアに戻ったが、ノア正規軍を裏切って鈴木軍に電撃加入し、17年から新日本に上がっている。

 そしてザックはノアの元留学生。14歳の時に海賊版のビデオで三沢光晴、川田利明、小橋健太(現・建太)、田上明の四天王プロレスにハマったザックは、キャリア10年目に突入した2011年7月にノアに留学生として来日。有明の道場に住み込んで練習に励んだ。他の若手とちゃんこを囲み、納豆も食べるようになったし、片言の日本語も覚えた。そしてお手本になったのが小川良成の技術だ。

 小川の技術については丸藤も「腕の取り方、足の取り方、首の取り方…腕1本を攻めるだけで10分を使うという技術を教えてくれる人でした」と言う。

 ザックは留学生を経てノアのレギュラー外国人選手になり、13年7月の『ジュニア・ヘビー級タッグリーグ戦』から小川と本格的にタッグを結成。同年12月7日の有明コロシアムで獣神サンダー・ライガー&タイガーマスクからGHCジュニア・ヘビー級タッグ王座を奪取。その後。石森太二&小峠篤司からも奪取し、完全にノアの一員になっていたが、2015年11月に一区切りをつけてイギリスに帰国した。帰国直前の11月26日の後楽園ホールで小川に足折り固めで勝って恩返しをしたザックは「少しだけさよなら。すぐ日本に来ます。日本また来年。もうちょっとレベルアップして。今年、全部、日本。アメリカやヨーロッパの試合は少し過ぎ。日本とは少しさよなら」とカタコトの日本語で戻ってくることを約束したが、1年4ヵ月後の17年3月に戻ってきたのはノアではなく、新日本のリング。しかも鈴木軍だった。そして今があるのだ。

ノアで同じ時間を過ごした4人の再会 試合後にザック「オモシロイネ!」 新たなストーリーの予感も

 こうした過去の物語がある中、先発で出たのはザックと小川。相手の腕をクロスしての首の取り合いなど、高度なテクニック合戦を披露した2人からは久々に再会した喜びが感じられた。「俺がこういったら、お前はどう返す?」という肉体での会話だ。

 タッチを受けた丸藤は金丸を指名。かつてのジュニア名勝負の再現が期待されたが、金丸は今現在の自分を示すように場外戦。その後は左足に一点集中の渋い攻撃だ。これにザックも呼応してインディアン・デスロック、飛び込んできた小川にはコブラツイストに絡めとる妙技をみせた。

 ザックと小川は読み合う攻防で一歩も譲らず、金丸と小川の職人対決は急所打ち合戦に。丸藤の左足を執拗に狙う金丸は低空ドロップキックから足4の字固め。これをクリアされると、リバースDDTからムーンサルト・プレスと大技を紡ぐ。いつしかノア時代の金丸に戻ったかに見えたが、不知火を仕掛けてきた丸藤をレフェリーに激突させて無法地帯を作り上げたのは、やはり“鈴木軍の金丸”だからこそ。

 レフェリー不在の中、金丸はウイスキーを噴射しようとするが、口を両手で押さえて封じた丸藤はフックキック! 思わずウイスキーを噴き出した金丸に虎王、フックキック、虎王と丸藤の動きは止まらない。金丸はサムソン・クラッチで逆転フォールを狙ったが、これをクリアした丸藤はコブラクラッチで固定して後頭部への虎王から真・虎王、そして最後は不知火をズバリと決めて、かつての先輩を鮮やかに葬った。

 丸藤は金丸の変貌ぶりに驚き、試合後に小川と何やら言葉を交わしたザックの第一声は日本語で「ナツカシイナー!」。そしてノアで小川と組んでいた2年半の思い出、感謝を口にすると同時に「でも、俺はこんなに成長した。ザッキー・ビッグ・テッカーズ! プロレス界最高のテクニカル・レスラーだ。そして丸藤は方舟の天才。世界最高のテクニカル・レスラーvs方舟の天才…オモシロイネ!」とコメントした。かつてノアで同じ時間を過ごした4人の再会は思い出に終わるのではなく、新たなストーリーの始まりになるかもしれない。

文/小佐野景浩

写真/プロレスリング・ノア

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