阪神・淡路大震災から27年…“防災士”一家の思い 「臨機応変に判断できる力を」
防災クイズ
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 今月17日で阪神・淡路大震災から27年が経つ。当時の状況を知らない若い親世代が増える中、震災の教訓をどう伝えるかが課題となっている。

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 今後30年以内に、高い確率で発生するとされている首都直下地震と南海トラフ地震。阪神・淡路大震災や東日本大震災のような事態がやってきても一人一人が適切な行動で命を守らなければならない中、その現状に危機感を抱いているのが防災士の出水真由美さんだ。

「いま、小さいお子さんを育てているお母さんたちで若い方だと20代前半の方もいらっしゃったりするので、『阪神大震災の時スゴかったですよね』みたいな話をするとキョトンとされる方も出てきました」

 出水さんが危惧しているのが、阪神淡路大震災の時にまだ生まれていなかった親世代、そして、11年前の東日本大震災を知らない子ども世代の防災意識――。

「災害が起きた時に、例えば『地震が来たら机の下に』と学校でも習うんですけど、机が無いからといって、わざわざ校庭にいたのに教室に戻ってきて、机の下に逃げた子が実際にいたんですよね。だから、『それって災害時の行動としては本当に正しいのかな』ということを子どもたち自身が気づいて、何か違う方法を考えるっていうことが私たちが伝えたいこととなります」

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 学校では教え切れない、災害時のとっさの判断や対応力。これを伝えるために出水さんはオンラインでの防災学校を開いている。講師は出水さんの夫と、息子の眞輝さん。家族3人が防災士の資格を持つ“防災一家”が、災害時に使える身近なものの活用法などをイラストで示し、実践も交えながら伝えている。

「どうしても学校教育だとマルかバツかで、答えは1つというものが多いんですよね。だけど、防災っていつどんな災害がきて、いま自分がどの場所で被災するかということすら何もわからない中で備えないといけない。頭が柔らかくないと思いつかないというジャンルのものだと思うので、マルかバツとかではなくて『これもいけるのではないかな』とか、『あこれももしかしたらいけるかも』ということをいくつも用意をする中で、何かあった時にその中から自分の一番フィットしたものを選び出せるという力が防災力だと思ってます」

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 また出水さんは、防災についての学びの機会が少ない不登校の子どもや、障がい者を守るための防災講座にも力を入れている。災害時に命を失う人や災害時の対応に困る人を減らすためにも普段から社会全体を見渡し、「誰も取り残さない」という意識を共有しておくことが大切だと訴える。

「南海トラフを震源とする巨大地震と津波がやってくれば1時間少しで津波がきます。そうなった時に大切なのは一人一人の判断力、子どもも大人も同じように自分の命を守るという最初のミッションをみんなが達成しないといけない。そう考えると、親がそばにいるから守ってあげられるということだけじゃない。先生がクラス全員の命を守ってあげられるってことでもない。ならば自分が、一人一人が自分の命をしっかり守ろうっていう意識がもっともっと強くなっていく中で、必要な情報を私たちが届けるという役割が果たせればなと思っています」(『ABEMAヒルズ』より)

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