去年、イギリスのオークションハウスで、あるデジタルアート作品が史上最高額のおよそ75億円で落札された。金額とともに話題になったのは、この作品がNFT作品(※偽造が不可能な所有証明書付きのデジタルデータ)であるということ。使われているのは、暗号資産取引でも用いられるブロックチェーン技術だ。
今、そのブロックチェーン技術がウェブの形を変える可能性があると言われている。Twitterには「どの辺がすごいのか 調べても全くわからん!」「Web3って最近よく聞くけど、結局何が変わるの?」「知らない言葉だらけでついていけない…」など、戸惑いの声が上がっているが、そもそも「Web3」と「Web 1.0」「Web 2.0」との違いは何なのだろうか。
ニュース番組『ABEMA Prime』に出演したひろゆき氏は「“調べても分からん”は正解だと思う」とコメント。「Web3といって、注目を集めてお金を儲けたいと言っている人たちが、自分たちが『これはWeb3だ』と言い張っているだけで具体的な定義があるわけではない。Web 2.0でも同じことがあった。Web 2.0を言い出したティム・オライリーさんはデータベースに(情報を)集めて、Amazonのような『これを買った人はこれも買うでしょ』みたいなユーザーベースを使うことで、利益を上げていくのがWeb 2.0だと言っていた。だが、あの当時も全然関係ない企業が『うちはWeb 2.0です!』と言っていた。Web3もそんな感じだ。みんなが言っていて、成功した後で『結果として成功したあれはWeb3だよね』と言われるようになる。無視していいのではないか」と述べた。
同日番組にゲスト登場した株式会社Thirdverse代表取締役CEOで株式会社gumi創業者の國光宏尚氏は「ひろゆきさんが言ったみたいに、定義はいろいろある。最近ブロックチェーン領域で語られている定義で、一番シンプルな感じでいくと、Web1.0は基本的にWebサイトをユーザーは見るだけというところに対して、Web 2.0ではUGC(User Generated Contents)といって、ユーザーも自分でコンテンツを作れるようになった。Web3になってくると、当然Webを見るのと、自分でコンテンツを作るのに合わせて、コンテンツやネットワークのオーナーシップというところでも、自分たちで保有できるようになったというのが、わりと言われている定義だ」と説明した。
國光氏の説明にひろゆき氏は「僕はWeb 2.0が何か、ティム・オライリーさんと直接話して聞いている。世間の人たちはそうやってすぐ嘘をつく。ティム・オライリーさんが、ユーザークリエイトのコンテンツがWeb 2.0なんて言ってない」と指摘。その後のやりとりでもひろゆき氏は「いちいち話に嘘を混ぜるのが、わざとやっているのか素なのか分からない」と國光氏の説明に噛み付いた。
これから先バーチャルな仮想世界が主になるのであれば、食事やトイレ以外、ほとんどWebの世界でできることになる。近い未来、ブロックチェーンや仮想通貨がより身近になってくるのだろうか。
ひろゆき氏は「ドルでもいいが、日本円で十分だ。なんだか分からない仮想通貨を使う必要がない。例えば、ビットコインで安い手数料で払おうとすると、決済確定するのに10分くらいかかる。自販機で物を買って、ジュースが出てくるまでに10分かかるということだ。めっちゃ不便じゃないか。なんでわざわざそんな不便なものを使うのか」と指摘した。
これに國光氏は「ひろゆきさんは、昔はけっこう技術に詳しいなという感じだったが、最近はテレビの人になって最先端のところについてくる時間がYouTubeとかで忙しくてないのかな」と苦笑。「Web 2.0はGAFA(※Google、Amazon、Facebook、Apple)だったり、中央集権的な感じで個人のデータやオーナーシップなどが、過度にそちらに行きすぎた。結果として、富の二極化も進んだ。そこに対して(Web3は)より我々ユーザーや民衆に『自分のデータや資産を取り戻そう』という感じの、ある意味GAFAに対する民衆運動に近い。インターネットは、より人々を自由にさせるものと思われていたが、気づけば一部のスーパーリッチ、一部のスーパービッグカンパニーの独占みたいになった。そこから我々の一人ひとりが自由になって、もっと楽しく生きていける、そういうインターネットを取り戻そうという方向だ」と説明した。
また、ひろゆき氏の「ブロックチェーンは全ての情報がネット上に公開されるものなので、プライバシーは完全になくなる。言っていることが間違っていないか?」という質問に、國光氏は「プライバシー自体のところと、個人のアイデンティティは別に紐づかない」と回答。
一連の応酬を見ていた作家の鈴木涼美氏は「今日は分からないから勉強しようと思って来たが、私は(新聞社に)入社したとき『FAXで送れ』と言われて嫌だったけど、自分がそっち側(おじさん側)になってきている。すごい怖いなと思った」とコメント。そんな鈴木氏にひろゆき氏は「分からないでいいと思う。にわかに理解しようと思って間違えるくらいだったら、もう分からないと言ってるほうが全然良い」と述べた。(『ABEMA Prime』より)
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