小川淳也議員「理想は“国民がほれぼれするような批判”」 立憲の立て直しに言及
【映像】小川議員に聞く“立憲の今後”
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「不肖の身ですけれども誠心誠意、務めを果たしたいと思っております」

 去年12月、立憲民主党の政調会長に就任した小川淳也衆議院議員(50)。実は今、この小川議員も登場する映画が公開され、注目を集めている。その名も『香川1区』。小川議員の選挙区である「香川1区」で去年秋に行われた、衆院議員選挙の激戦を描くドキュメンタリー映画だ。初代デジタル大臣にして地元の有力紙「四国新聞」のオーナー一族でもある平井卓也議員と、地盤も看板もない「パーマ屋の息子」として庶民感覚をアピールする小川議員との争いが描かれている。

【映像】小川淳也議員に聞く“立憲の今後”

 ニュース番組『ABEMAヒルズ』では小川議員を取材。映画が選挙にもたらした影響や、立憲民主党の立て直しについて話を聞いた。

「(映画では)私に関して言うと、無様な姿やみっともない姿、情けない姿がいっぱい出てくるので複雑です。監督が『選挙は人間をむき出しにする』とあちこちでおっしゃってますけど、平井先生におかれてましても、戦況次第で余裕をお持ちのときもあれば、なかなかそうも言っていられないときもあります。まさに生身の人間……お互いすごくリアルに描かれているなと感じました」(以下、立憲民主党・小川淳也政調会長)

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 『香川1区』を上映中の映画館によれば、公開当初から連日満席になり、終わった直後には毎回拍手を送るという珍しい現象も起きたそうだ。

 そもそも小川議員の名を広く知らしめたのは、同作と同じ大島新監督が手がけた映画『なぜ君は総理大臣になれないのか』。小川議員が初めて出馬した2003年からの17年間を追い続けたドキュメンタリーだ。政治家として真っ当であろうとするがゆえに複雑な政治状況に巻き込まれ、苦悩する小川議員の姿が多くの人の共感を呼んだ。

 タイトルのインパクトとも相まって、ドキュメンタリー映画としては異例のヒットを記録。それは去年の衆院選にも良い影響をもたらしたという。

「ある種、政治家とか政治活動の一断面を切り取って見えるようにしたことで、結果として『小川さんの考えや抱えている思い、志に共感しました』『シンパシーを持ちました』という方が県内外で増えたことは間違いないと思います。結果として、選挙戦の熱にも少なからず繋がったでしょう

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 一方、今回の『香川1区』では、選挙中に物議を醸した小川議員の行動も描かれている。日本維新の会が香川1区への候補者擁立を決めた際、小川議員が維新の幹部らに擁立を取り下げるよう直談判した問題だ。一連の行動に対しては、ネット上でも「強引すぎる」と批判の声が集まった。

 小川議員は当時を振り返り、「自分自身の立ち居振る舞いやものの言い方に関しては、非常に反省が多いです」と認めている。一方で、直談判したことについては「そうはいっても、維新から共産党まで野党は一本化すべき。一本化することが望ましい。なぜなら、それが自民党にとって一番の脅威となるから。そういう野党であるべきだし、“ありたい”という思いが強いんです」と主張していた。

 結果的に3人の争いとなった香川1区だったが、有権者の熱い支持を受けた小川議員は平井議員に2万票近くの差をつけて勝利。しかし、その追い風は立憲民主党全体にはほとんど吹いていなかった。

Q. 小川さんの周りの熱量がすごかった

「それはもう圧倒的です。全体の結果が出たとき、香川1区はこんなに熱がこもっていたのに、(全体では)あんなに冷めていたのかと。ギャップに驚いたぐらいです。議席を減らしていて、寧ろ驚きましたよ」

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 敗北の責任を取って枝野代表は辞任――。立憲民主の敗因のひとつとされるのが、新たに代表となった泉健太議員も指摘する、国民の「批判ばかりの政党でうんざり」だという声。ただ、小川議員は「批判すること自体を恐れてはいけない」と語る。

「野党の仕事の本質は“批判的立場から権力監視すること”なので、そこでひるんだり手を緩めたりするようでは野党の存在意義に関わります。野党も国民のために存在しているわけですから」

 去年12月の臨時国会でも、小川議員は岸田総理を厳しく追及した。野党には権力を監視する義務がある一方、批判する側にも必要なものがあると小川議員は話す。

「最低限、相手に対する敬意は失わないように、礼節を守ったうえで(批判したい)とは思っています。理想は“国民がほれぼれするような批判”。動機の部分もそうだし、内容もそうだし、礼節やルール、マナーもそう。不快さや不愉快な感じがする批判はできるだけ軌道修正して、“国民がほれぼれするような批判”をしてこそだと思います」

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 ANN世論調査の政党支持率では、自民党が40~50%であるのに対し、立憲民主党は10%前後で伸び悩んでいる。小川議員は、特に自民支持の傾向があるといわれる「若い世代から信頼を取り戻す必要がある」と強調する。

「若い世代に対して、社会の持続可能性を回復する。先行きに見通しを持てる社会にしていく。その決意と覚悟、また見識や力量ですよね。それをもって若い世代に応えることが本筋で、それをやれる立憲民主党、野党第一党でありたいと私は思うし、そういう努力をしたいと思います」

 『なぜ君は総理大臣になれないのか』――。そんなタイトルの映画で世に知られた小川議員。最後に、総理を目指す思いはあるのかを聞いた。

「いずれ責任者として私が願う構造改革を進め、次世代に恥じぬような社会の持続可能性を回復するという大時代的局面において、その責任を果たそうとする意欲や意志がないのであればここにいることはありません。それがないのに、あえてここにいることを正当化できる理由がないと思っています」(『ABEMAヒルズ』より)

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