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▲画像は自宅療養中の男性医師提供。男性は先日3回目のワクチン接種を終えたばかりだった。

 オミクロン株の急速な拡大を受け、21日より「まん延防止等重点措置」の適用地域が首都圏や東海、九州など16都県に拡大した。大阪府も対策本部会議を開き、まん延防止措置の適用を政府に要請することを決定。兵庫・京都両府県ともに足並みを揃えて、政府に要請した。

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 感染拡大が続くオミクロン株。ニュース番組『ABEMAヒルズ』に出演したNTT東日本関東病院のニコラス・レニック医師は「病院でも陽性者が増えているように感じます。感染源に心当たりがない患者さんも多く、気をつけていても、会食の機会がなくても陽性になる人がいます」と語る。

ワクチン3回目接種後に感染も…「オミクロン株はこれからピーク」医師が勧める対策のカギ
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「今はデルタ株とオミクロン株が混じっている時期とも言えますが、都はもう9割以上がオミクロン株に置き換わっています。海外ではオミクロン株が広がりはじめると、デルタ株が収束する事例があり、アメリカでも今は98%がオミクロン株です」(以下、レニック医師)

 その上で、レニック医師は過去にも同番組で紹介した「実効再生産数(R数値)」に言及。R数値とは、1人の“コロナ感染者”がそれほどの人を感染させるかを調べた数値のことで、数値が「1」を少しでも上回っていると“コロナ感染”が加速していく。18日時点のR数値をみると、日本は2.49、アメリカは1.05、イギリスは0.76だった。

「オミクロン株の登場によって、日本のR数値が上がりました。『まん延防止等重点措置』の重要性は引き続き高いと言えますが、これをしただけですぐに収束するとは思えません。ピークに達するまでまだ時間がかかるでしょうし、『これからがピークだ』という心の準備をしたほうがいいと思います。テレビなどを見て『また増えた』と精神的に見ていて疲れる人もいるかもしれません。全国の新規感染者が1日10万人になるかもしれない、そういう覚悟はしておいたほうがいいでしょう」

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 また、レニック医師は「オミクロン株は重症化リスクが少ないことがわかっている」とした上で、引き続きワクチンの効果は高いと話す。

「2回のワクチン接種はオミクロン株の対策にもかなり重要です。今、多くの日本人が2回目のワクチン接種から6カ月が経とうとしていますが、それくらいの時間が経っていても入院率がワクチン未接種者と比べて52%減ることがわかっています」

 一方で、ワクチン未接種者や高齢者について、レニック医師は「今も高い重症者リスクが残っている」と言及。

「自分の生活の中で感染対策を最大限に努力しながら“重症者リスク”を持った人に接触しないようにすることが重要です。まだワクチンの3回目接種を受けられない人は、特に高齢者との接触に気をつけてほしいです。3回目を打つと、先ほどお伝えした52%の入院を予防できた効果が、一気に9割になることがわかっています。人流や人数の抑制についてもいろいろな考え方がありますが、今から政治的に規制を設けても、オミクロン株の拡大スピードではピークに間に合わない可能性もあります。引き続き個人個人ができる手洗い、うがい、マスク着用、他人との食事を避けるなど、基本的な予防対策が大事です」

(『ABEMAヒルズ』より)

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