“人を大切にする経営”は理想論? 話題の経営者にひろゆき氏「才能を無駄にすることで成立している気がする」
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 東京・西国分寺にあるカフェ「クルミドコーヒー」。実は今、このお店が取り組む経営方法に注目が集まっている。

【クルミドコーヒー流経営哲学】
「人を利用するのではなく、支援する経営」
「事業計画は作らない」
「アイデアはみんなで決める(決定権を手放す)」

【映像】開放感あふれる「クルミドコーヒー」の店内(冒頭〜)

 「クルミドコーヒー」の店主・影山知明氏が掲げる「人を大切にする」経営。お金のために働くという価値観を変え、社員一人一人の幸せと会社の利益の両立を目指している。

「“ゆっくり急げ”という言い方をしている。スタッフを大事にする、一つ一つの仕事を大事にするとか。ゆっくり行くことをちゃんとやっていけば、経済的にも報われていく。この2つを両立したお店や組織体を作って、証明して見せたいという気持ちはすごく強くあります」(影山氏)

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 クルミドコーヒーでは、決定権を持つのも従業員だ。アルバイトも含めた定例会議で経営方針を決め、それによって「仕事に魂がこもる」と影山氏はいう。

 “社員の幸せ”と“会社の利益”。経営者なら誰しもぶつかる天秤に、クルミドコーヒーの経営論は「理想論だ」という声もある。働き方改革が進む今、どのようにバランスをとっているのだろうか。

 ニュース番組『ABEMA Prime』に出演した影山氏は「会社や組織、僕らの場合はお店だが、お店の目的が先に立ってしまうと、そのお店の目的の達成に貢献するように、ある種、社員を型にはめるようなことが起こると思う」と話す。

「反対に僕たちが目指しているのは、僕らなりの表現で原生林みたいな組織経営ができたらいいなと。一人一人、持っている命の形がやっぱりユニークで、いびつなことが多い。むしろ、それを存分に発揮してもらって、それを経営者なり会社がサポートしていけるといいなと思っている」

 競合も多いカフェ業界。影山氏は「近くにお店(他社)ができれば、影響を受けることもあるが、比較的お客さんも使い分けてくれているのかなと感じる。コーヒーの値段で言ったら我々のお店は2〜3倍するが、ただここぞというところで、その値段に変えられない価値があると感じて使っていただいていると思う」と述べる。

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 クルミドコーヒーが重視する『お金』以外の価値――。影山氏の話を聞いたネット掲示板『2ちゃんねる』創設者のひろゆき氏は「それで影山さんがうまくいくと思っているならいいと思う」とコメント。その上で「大切にする価値のある人をちゃんと採用で採って、そうじゃない人を採らない。それを影山さんができているから、成功している気がする。例えば『みんなで決定しましょう』というときに、『じゃあスタバの倍の値段なんだから、スタバの平均年収が400万円だったら、俺たち年収800万円だよね』と言って、僕みたいな人が大量にいたら『年収800万円にしましょう』となってしまう。そうならない仕組みを採用の段階で絞っていると思う」と見解を述べた。

 人材はどのように採用しているのだろうか。影山氏によると、クルミドコーヒーには“そこにいる人”という採用方針があるという。

「元々お客さんだったり、縁があったり。基本的には飲食店をやる視点から考えると、飲食店の経験がある、調理師資格や接客の経験がある、そういう方を採りたがる。その気持ちはわかるが、そうすると、やっぱりお店の数字を出すことに最適化された組織になってしまう。そういう目線よりも、そのとき僕らが人材を必要としたときに近くにいて、お互いフィーリングがあって『じゃあちょっとお互い踏み込んでやっていこうよ』という関係になった人に、チームに加わってもらっている。クルミドコーヒーには、今全体で従業員が40名くらいいるが、全然選りすぐりじゃないし、精鋭たちが集まってやっている感覚ではない。こういうことを言うと、たぶんうちのスタッフからさんざん怒られるが(笑)」

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 40人のうち社員は15人だという。番組で司会を務めるテレビ朝日平石直之アナウンサーが「40人くらいで2店舗しかないから、そういった経営ができるのではないかと思っている。だけどこれ(お店)を増やしていくと、だんだん目が行き届かなくなって、やっぱり『この形でやりましょう』『このマニュアルでやりましょう』となる。成長していく中の過程にあるのではないか」と質問。

 影山氏は「僕が経営者として担っている役割は、土だと思っている。スタッフだったり、お客さんだったり、眠っている種みたいなものを受け止めて、それが芽を出していくための支援・アシストをしている感覚だ。その土のような役割を担える人が、今スタッフ40人の中に僕以外にもちょっとずつ現れてきている。少しずつ広がっていくことはあると思う。ただ、大きくなるということが、垂直方向にそれこそ高さ634メートルみたいになることではなくて、原生林のように、どちらかというと水平方向に大きくなっていく未来をイメージしている」と回答。「人が育った結果、組織や規模、売り上げが大きくなっていく」として、チェーン展開やフランチャイズといった世界ではないと語った。

 最初の頃は、事業計画や週目標などをしっかり立ててやっていたという影山氏。「ただ、それをやって確かに数字は成長していったが、組織のエネルギーが高まっている感じはしなかった」と振り返る。

「目標は実はあるし、さらに言うと計数管理みたいなことはけっこう丁寧にやっている部類だと思う。ただそれを目的にはしていない。例えば、今月は何をするかみたいなことも特に決まっていない。状況の中でお客様だったりスタッフだったり、関わりの中から『こういうことをやれたら面白いね』というアイデアを臨機応変に受け止めて、形にしていく。それを日々やっているという感覚だ。カフェというのは本当に1日に100人、150人、いろいろな方がいらして、いろいろな過ごし方をする。僕らの方で計画を立てて、結果を作り出そうとやっていても、その想像の範囲を超える出会いやアイデアが日常的にあるので、むしろ計画的にやることの方が可能性を狭めてしまっているなと感じる」

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 そんな影山氏のやり方にひろゆき氏は「結局は影山さんというすごく優秀な人が、たった40人規模の中小企業の社長で才能を無駄にしていることで成立している気がする」と意見。「本来、影山さんがもっといろんな優秀な人をバンバン使っていたら、もっとでかい企業ができたと思う。影山さんがそれで回せるのは当たり前だけど、影山さんが失っているものというのは、好きでやっているとは思う。ただ本来ビジネスで本気でやったらもっとでかい規模になっていただろうなと。影山さんが自分のいろいろなものを捨てているから、それが成立しているという話な気がする」と指摘する。

 ひろゆき氏の指摘に影山氏は「こんなに優秀と言ってもらえることがないので幸せです」と喜び。平石アナウンサーは「要するに影山さんにポテンシャルがもっとあるということだが、それをご自身はどう思うか」と質問。

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 影山氏は「『植物の成長をなめんなよ』と思っているところもある。今、僕らは2店舗で40人で、国分寺というすごくローカルな存在だが、こういうやり方でここまでに張ってきた根っことか、僕らが築いてきた幹みたいなものが、ここからぐっと成長していったとき、それが成す実はけっこう大きなもので、大きな花を咲かすことだってあるのではないかと思う」とコメント。「その中で僕自身の生活も成り立ち、こうやって周りから優秀と言ってもらえて、十分報われている。僕自身の喜びの1つが、そうやって人が成長して、その人自身の花を咲かせることに立ち会えることだけで、満足している部分もあると思う」と答えた。(『ABEMA Prime』より)

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