監禁や死体遺棄などで懲役7年を経験。現在は更生し、犯罪抑止活動などに取り組む元受刑者のTさんが、横行する車盗難の手口とルーツについて激白。「納車情報が(窃盗団に)入っている場合もある」といった驚きの事情を語った。
元埼玉県警捜査一課の刑事である佐々木成三氏との交流を経て、犯罪抑止活動に精力的に取り組むようになったというTさんのもとには、出所して社会復帰を果たした今でも、犯罪情報に関するリアルな情報が入ってくるという。
「拳銃のルートはどういうルートできているのか。薬物、あるいは窃盗だったり、そういった犯罪の各方面のいまの流行りとか犯行手口とか、なぜこういうものが起きてしまうのかなど、そういったことが多い」
そのように話すTさんが続いて言及したのが、ここ最近になり、後を絶たない車の窃盗問題。その手口についても赤裸々に告白する。
「どこの国に持って行くかによって(盗む)車種が全く変わってくる」と話すTさんは23日に放送されたABEMA『ABEMA的ニュースショー』で取材に応じると「仲間の噂話として情報がくるくる回っているのが現状だ」としたうえで「海外に輸出することが一般的になるので、海外で流行っている車。中東やロシア、中国などで利用される大型の四駆が多い」と述べた。
Tさんの話に対して「最近はハイエースが(盗難に遭うことが)多い」とMCを務める千原ジュニアが投げかけると「ハイエースは中国で人気がある」と裏事情を明かす。バイクの旧車なども被害に遭うことが増えているが、バイクについては「国内で流通することが多い。解体せず、載せ替えとして正式な書類があるフレームをそのまま旧車に載せてしまうので、名義上は本当に自分のものになるということだ」と応じた。
これら窃盗事件の犯人像について問われたTさんは「車関係で言うと、一番後ろで糸を引いているのは外国人。日本国内で犯罪を行っているのは日本人で、実行役に指示を出しているのは、ロシア人と中国人が主になる」と語った。
話は核心へ。犯行の手口についてTさんは「高級な国産車に関していえば、一昔前はキーレスの微弱電波を取得してカギを複製していくというのが主流。一方で現在は、車自体に物理的に接触して、ある部分から線をコネクティングして車自体を動かしてしまうのが一般的。バイクの旧車に関しては、マイナスドライバー1本、またはハサミ一つでも簡単に盗めてしまう」とも述べた。
では、盗難された車両はどこへ移されるのか。そのことについてTさんは「保管する場所をヤードという。そこで一時的に保管して、GPSなどのセキュリティシステムがついていたりするとヤード自体が捜索される。そのため、キケンな物をあえて寝かしておいて、しばらく音沙汰がなければ輸出していく。ヤード自体、目立たない場所にあることが多いが、目立つ場所、住宅街などにある場合も。廃品回収所のように高い鉄の目隠しが並んであるところはヤードと呼ばれる場所であることが多く、(Tさん自身は)すぐにわかる」と語る。
ただ、それは警察も同じこと。警察は主要なヤードの情報は把握しているが、窃盗団側もそのことは理解しており、こまめに場所を変えるので、現実的には“いたちごっこ”だという。
最後は、自衛について。この問題に関してTさんは「現行の盗難の手口だと1台3分から5分ぐらいで車を動かせてしまう。家の前に犬がいるなど、一目見て『ここは嫌だな』と思わせること。車自体にタイヤロックやハンドルロックなどの物理的なセキュリティー。盗むときに時間がかかる、音が出るなど、泥棒を嫌がらせるのが重要だ」と指摘した。
そして、驚きは議論の最後に待っていた。自動車盗難について意見を求められたお笑いコンビTKOの木本武宏が「自分の知人が新型のランクル(トヨタのランドクルーザー)を購入して、納車された日に盗まれた。手元にあったのが数時間だった。ということは、納車されるということが分かっていたのでは」と疑問をぶつけると、Tさんは「納車される情報が入っている場合も本当にある。情報網というのはたくさんあって、必ずしも手探りでやっているわけではない」と答えた。
この回答に驚きの表情を浮かべた木本に対して、千原ジュニアは「そこに漏れるということで流していない情報を掴んでいるという可能性もある。車を買うと車庫証明がいる、保険にも入らないといけない。色々なところで色々な情報が回るわけなので」と情報の流出や入手の可能性、そしてその経路に関しては慎重に述べた。
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