ボディに突き刺さった左右のヒザの連打に合わせるように「ウッ」と野太いうめき声を会場に響かせ、スタンディングダウン。直後、カウントが進む中で体を揺らしながら時間差で崩れ落ちる衝撃のラストに視聴者から「アバラの前に心が折れた」「何だ、あの倒れ方」といった反響が寄せられた。
1月28日に後楽園ホールで開催された「Krush.133」。近藤魁成(大成会館/キックボクシングジム3K)とアラン・ソアレス(ブラジリアンタイ)の対戦は、開始早々に近藤がヒザ、左右のパンチ、ヒザの怒涛のラッシュを叩き込みわずか40秒で快勝。対戦相手が顔を歪め痛みに耐えながら腰から砕ける強烈なKOシーンに視聴者から「アバラが折れたんじゃないか?」「ボディの角度がえぐい」といった声があがった。
ウェルター級の期待の星としてトップ戦線で活躍してきた近藤だが、ここ2年、2度にわたる手首の負傷で長期離脱を経験。リハビリ期間中に階級をウェルター級からスーパー・ライト級(65kg)に転向し、今回は66.5kg契約での復帰戦となる。一方のソアレスは“破壊男爵”の異名を持ち他団体で2度チャンピオンを獲得。昨年9月、K-1初参戦となった「K-1 WORLD GP 2021」では、安保瑠輝也に何もできずわずか31秒で敗戦を喫しており、雪辱を期して臨むKrushでの再起戦だ。
ゴングとともに一気にプレッシャーをかけて、蹴りやパンチを繰り出すソアレス。対する近藤はボディへのパンチから、カウンターで右ヒザ。さらに鋭い左ヒザを突き刺していった。 これにソアレスのガードが下がり、そこに近藤が間髪入れず右、左、右ローの連打。すでにボディが効いているのか、ブレイクのあとコーナー際で後ろを向いたソアレスの表情は曇りがちだ。
すると試合再開直後、衝撃的な結末が。ガラ空きになったソアレスのボディに近藤が前蹴り、立て続けに左右のヒザを叩きこむ。これをまともに被弾したソアレスは「ウッ…」とうめき声をあげて悶絶。よろよろと体を揺らしながらロープにもたれかかると、レフェリーがスタンディングダウンを宣告。カウントが2まで進んだところで、時間差で腰から砕けるようにマットに沈んだ。
わずか40秒での秒殺KO。劇的なラストシーンに対して、試合を中継したABEMAの視聴者からは「効いた」「左右のヒザがばっちり入った」「アバラの前に心が折れた」とさまざまな声。一方、2戦続けて1分も持たずに敗れたソアレス。やや残念な結果に対して「秒殺マン」といった辛辣な言葉も。その一方では「他団体ではソアレスはタフで前に出る頑丈なイメージだった」「アバラが折れたんじゃないか?」と心配の声。さらには「ボディの角度がえぐい」といった反応も上がった。
かつて難病で長期のブランクを経験するも、K-1甲子園を連覇するなど、その都度、逆境を跳ね返して来た近藤。試練となった相次ぐケガからの復帰戦での勝利に「65キロに来た意味を見せれたと思うので、ベルトをしっかり獲ります」と堂々のマイク。勝利を噛みしめるような神妙な表情が決意を物語っていた。