試合開始からわずか32秒、ファーストコンタクトで訪れた衝撃のKO劇。居合いのように相手のジャブをかわし、フルスウィングの左フック、さらに崩れ落ちる相手のアゴを打ち抜く右の超高速ワンツーに実況が「あぁ…1発!」と短く驚嘆の声を上げる一幕があった。また、ダメージの大きさを瞬時に察知したレフェリーの行動に称賛の声が寄せられている。
1月28日にシンガポールで開催されたONE Championship「ONE:ONLY THE BRAVE」で、ルスラン・エミベック・ウフール(キルギス)とジャン・リーポン(中国)が対戦。1ラウンド、ゴングから32秒で迎えたファーストコンタクトでジャンが強烈なワンツーを当て、衝撃的な秒殺KO勝利を収めた。
年齢はともに31歳で身長もほぼ同じ。前回判定勝ちを収めているウフールと、ONE初戦でライト級王者のエドゥアルド・フォラヤンに勝利した元UFCファイターのジャンの一戦。ゴングとともに対面し距離をうかがう両者。すると、ウフールの右にジャンがカウンターで左、右と鋭いワンツーを返すと「バキッ」と乾いた音が鳴り響き、ウフールは天を仰ぐように倒れ込んだ。
ABEMAで実況を務めた西達彦アナウンサーは「あぁ…1発!」と驚嘆の声を上げると「この人(ジャンは)グラップラーだと紹介しようと思ったのですが…」と紹介する間もなく決した勝敗に驚いた様子で続けた。
まさに一瞬のKO劇をスロー映像で確認すると、ウフールの右ジャブに素早く反応したジャンがスウェイでパンチを弾いて回避。次の瞬間、カウンター気味に左のロングフックを振り抜き、崩れ落ちる相手のアゴへすかさず右フックねじ込んでいる。
余りにも効率よく殺傷能力の高い高速ワンツーに視聴者からは「2発的確にいれた」「ガチのワンパン久々に見た」「きれいなワンツーだ」といった驚きのコメントが並んだ。また同時に追撃の動きを見せたジャンに対して、ウフールのダメージの大きさを瞬時に察知。身体を投げ出すように両者の間に割って入り追撃を制したレフェリーのモハメド・スレイマンの行動にも「ナイスレフェリー」「これはナイスストップ」と称賛の声が相次いだ。
高速ワンツーでのKO劇にゲスト解説の志朗は「ワンツーで合わせるのは難しい。距離感がいい選手だと思いましたが、わかっていますね。自分の当てる位置と相手の攻撃が当たる位置が」と述べ、ジャンが距離感を正確に把握して相手を瞬殺したと指摘した。