3日、アメリカIT大手5社の決算が出揃った。Google、Apple、Amazonは去年10月から12月までの期間で過去最高益を更新。Microsoftも前年の同じ時期と比べ21%増加となる、およそ2兆1500億円の最終利益を発表した。
【映像】ケンコバ「首から下の感覚が…」夢中になったVRコンテンツ(18:30ごろ〜)
各社、コロナ禍の巣ごもり需要なども手伝って順調に業績を伸ばした一方、FacebookやInstagramを運営するMetaは最終利益8%減少、Facebook自体の利用者も「創業以来初めて減少した」と発表した。決算発表の余波は翌日の株価を直撃し、翌日、Metaの株価は26.4%下げ、時価総額として約2300億ドル、26兆円以上を失った。アメリカのメディアは「この規模の企業としてはウォール街やシリコンバレーが経験したことのない歴史的な下げだ」と報じている。
社名変更後、初の決算発表となったMeta。今後主軸とするメタバース事業では、先行投資が膨らみ、営業赤字は1兆円以上になっているが、同社CEOのマーク・ザッカーバーグ氏は「今後もメタバースへの投資を続けていく」と声明を発表。Twitterには「決算発表で26兆円吹っ飛ぶなんて…メタ大丈夫なの?」「こんなに赤字出してメタバース事業は続けられるのかな」といった心配の声も寄せられている。
4日、ニュース番組『ABEMA Prime』に出演した、ネット掲示板「2ちゃんねる」創設者のひろゆき氏は「まず、誤解があるなと思ったのが、Facebookのサービス、コミュニティをみんなが使わなくなっているから『メタバースをやらなきゃいけないよね』ということになっていた。もうIT業界は『Facebookは厳しいよね』と薄々わかっていた。決算の数字が出てやっぱりそうだよね、Facebookはこの先きついよねとかが確定したという話だ。メタバース事業には、投資を始めた段階であって、Facebookはサービスとして出してない。Mata社のいうメタバースの事業はまだ始まってもいないから、それが成功か失敗かという話ではない」と指摘。
他のアメリカの大手IT企業と比較すると、はっきりと明暗が分かれているが、今後Meta社はどうなってしまうのだろうか。
ITジャーナリストの石川温氏は「やはりコロナ禍で必要とされている企業と、そうではない企業で、明確に(差が)出たのかなと思う」とコメント。「コロナでなかなか人に会えないなかで、コミュニケーションしたいというところで、iPhoneやiPadが買われ、Teamsみたいなものを使ったり、GoogleのMeetが使われ、人がFacebookを使わなくなってきている。Facebookを見てもみんなコロナ禍でどこにも行ってないので、楽しい投稿がなかったり、みんな自慢しかしてない」との見方を示した。
また、一晩で時価総額26兆円が失われた件について、石川氏は「世間がメタバースに過剰に期待しすぎていた」と言及。「この数年、そんなにメタバース業界は変わってない。だけど、去年のある日、FacebookがMetaになるといった瞬間に『これからはメタバースだ』と、知らない人が一気に群がってお金が集まり、これだけ高くなった。それで、今回一気にまたお金が逃げていった」と見解を語る。
何年も代わり映えしていないメタバース業界に、紗倉まなは「メタバースのサービスを使う動機がない」とコメント。「例えば、Nintendo Switchのように、面白いコンテンツが複数存在していたら『これを始めてみよう』と手に取ることがあるが、(メタバースで)何ができるのか、あまり明確に分かっていない」と述べた。
そんな紗倉にひろゆき氏は「紗倉さんは、VRコンテンツを作っていたのではないか。同じ業種でVRをやっている人はいるのか」と質問。紗倉が「います。Oculus(※VRハードウェア)みたいなものを付けてやっているが、それがメタバースでもできるのか」と聞くと、ひろゆき氏は「DMMなどでVR用のアダルトコンテンツが売られている。僕はそっちの方がお金が動くと思う。紗倉さんとかは、メタバースで売り上げが増える気がする」と今後の可能性に言及した。
ゴーグルのような装置を付けて1時間以上集中することは、体力的に可能なのだろうか。実際にVRコンテンツを見たことがあるというケンドーコバヤシは「使い手側の鍛錬がいる。僕は髪の毛を感じるまで脳を研ぎ澄ました」と自信。「(鍛錬を積むと)実際の映像に対して、なんとなく唇が触れるような感覚が得られるようになる。首から下の感覚がなくなっていく」と語った。
コンテンツの普及には、仮想空間を作り出す器具の開発も重要だ。石川氏は「マーク・ザッカーバーグ氏は(投資期間として)10年という単位を出していて、ここにAppleがものすごい物を出してくると、また違った見え方になってくる。なかなかAppleがやってこないっていうことは、たぶん苦労しているんじゃないかなと思う」と見解を語る。
ひろゆき氏が「AppleのVRゴーグルはどうなるのか」と質問すると、石川氏は「Appleの場合はiPhone向けにアプリのプラットフォームを持っているところが大きい。そういったグラス的な物を作ると、iPhone向けにアプリ、サービスを作っていた会社が軒並み対応してくるので、一気にそういったコンテンツが増えてくる。しかし、本当に普段つけていて、かっこよくて、しかもつけ心地が良くて、バッテリーが長持ちするものを作れるのかというと、なかなか難しい」と回答。
石川氏の説明を聞いたひろゆき氏は「例えばAppleがVRグラス的な商品を出したとき、エロいコンテンツを出しておけば『とりあえずエロから試すか』という人が世界中にいる。だから最初にエロコンテンツを出したい人はメチャクチャ儲かるので、紗倉さんはやった方がいいと思う」と提案。これには、紗倉も「先駆者になりたい」と笑顔を見せた。
この流れに、WEBクリエイターのシモダテツヤ氏は「あまり大義を背負いすぎると面白いものができにくいのではないか」と意見。「DMMさんは上場しないから攻められるし、いろいろなことができるんだと思う。多少、緩みのあるものの方がコンテンツとして魅力的なものが多くなる。ネットもそうだったが、最初は軽めの無法地帯であって欲しいなという気持ちはある」と述べた。
世界から注目が集まっているメタバースコンテンツ。今後、どのような変遷をたどるのか気になるところだ。(『ABEMA Prime』より)
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