強烈なローブロー2発を立て続けに受けた選手が「うぉ〜」と苦悶の声を上げて絶叫。痛みに悶える選手とは対照的に、ローブロー、さらに無効試合の裁定に納得いかない選手が「蹴っていない」とレフェリーに抗議して号泣する一幕があり、視聴者から「泣きたいのは相手の方」「やっべぇ音鳴った」との声が。一方、海外メディアからは「合法的な一撃に見えた」と擁護の声も上がっている。
2月11日にシンガポールで開催されたONE Chmpionship「ONE: BAD BLOOD」で、スノト(インドネシア) とティアル・サン(ミャンマー)が対戦。1ラウンド開始早々、サンの放った下腹部周辺への強烈なヒザ2発が立て続けにスノトを襲い、スノトは悶絶絶叫して戦闘不能状態に。ローブロー、さらにノーコンテストの裁定に様々な反響が寄せられている。
地元インドネシアでのあだ名は「ターミネーター」、日本のファンからは「長渕剛に似ている」というリアクションが毎回起きる打撃系ファイターのスノトと、ミャンマーの英雄でアウンラ・ンサンの弟子として知られるサンの注目の一戦は波乱の結末を迎えた。
開始1分、組み合いの攻防でヒザが下腹部周辺をかすめ、スノトがローブローをアピール。「やってないよ」と困惑気味のサンは「お腹だよ」と指さしでジェスチャーするも試合はインジャリータイムで一時中断となった。
インターバルを経て試合は再開。序盤のカーフキックが効いたスノトは、構えも従来とは異なるサウスポースタイルに変えるなど、サンの蹴りを明らかに嫌がっている様子だ。その後、再び組み合いになると、サンが再度、下腹部周辺をえぐるようにヒザを叩き込みスノトが「ウォ〜ううぅ…」と悶絶絶叫。大の字に倒れ、痛みに悶える様子にABEMAの視聴者からは「これは演技」「ちょっと大げさ」との指摘も。しかし、当のスノトはマットにひれ伏したまま動くことができない。「これは大ダメージ」「カポっと音がしたぞ」「やっべぇ音鳴った」などの声も聞かれた。
意見が分かれたシーンをスロー映像で確認すると、ヒザはボディとも下腹部とも判定が難しい部分を捉えており、判断が難しい状況に。相次ぐアクシデントにローブローを宣告されたサンも納得いかない様子だ。さらに減点のイエローカード警告を受けると、手を広げて「相手が体勢を下げて当たってるだろ?」とレフェリーに食い下がるも、レフェリーは聞く耳を持たない。一方、スノトはマットに倒れ、もがき苦しんだまま5分を待っても復帰できず、試合はノーコンテストで終了となった。
この裁定によほど納得がいかなかった様子のサンは怒りをぶちまけるようなリアクションを見せ、ケージに寄りかかりながら号泣。「泣きたいのは相手の方」「優勢だったのに悔しい」など、ファンの意見は真っ二つに割れた。
問題となったローブローについて、海外の代表的な格闘メディアの一つであるSherdogも言及。「サンの複数のヒザの1発はローブローだったが、本当にダメージを与えたのは合法的な一撃に見えた。(無効試合は)残念…」との見解を示した。