夢見る雀士でいいじゃない魚谷侑未、伝説の役満・九蓮宝燈に果敢にチャレンジファン「見せ場満点でした」「カッコいいよ！」／麻雀・Mリーグ

　めったにないチャンス、狙える伝説は狙いたい。プロ麻雀リーグ「大和証券Mリーグ2021」2月14日の第1試合、セガサミーフェニックス・魚谷侑未（連盟）が配牌で九蓮宝燈が見える手となり、これを目指して奮闘。今期初の役満、そしてリーグ史上初の九蓮宝燈の可能性に、実況・解説、視聴者は大いに盛り上がった。

【動画】果敢に九蓮宝燈を狙った魚谷侑未

場面は南1局1本場。魚谷の配牌はピンズが多く、1筒から9筒までのうち4筒を除くすべてが揃っていた。また1筒が暗刻であることがポイントで、これで「1112345678999＋同種の数牌1枚」という形のチンイツ、つまり九蓮宝燈を狙うことができる。この配牌を見て実況の日吉辰哉（連盟）は「うわ、すごい！来ましたよ」と驚き、解説の土田浩翔（最高位戦）も「九蓮！」と沸き立った。

6巡目に4筒を引いてテンパイすると、魚谷は小考。六・九万待ちでリーチをすればリーチ・平和・一気通貫が確定とすでに跳満含みの大物手だ。しかし魚谷はここで九蓮宝燈を目指し決断。打七万としてテンパイを組み直す道へ進んだ。この選択に「かっこいいじゃん！」「いやもう魚谷カッケーわ」「これは惚れる」と視聴者も興奮だ。次巡、魚谷は裏目となる九万をツモってしまうが、そんなリスクは当然考えた上での決断。1万8000点を逃した格好ではあるが、見る者は納得し、土田も「これは魚谷を称えましょうよ、もっと上を見たっていうことで」と説明した。

　その後、渋谷ABEMAS・松本吉弘（協会）のリーチを受け絶体絶命に見えたが、魚谷はドラ9索を引き、さらに7索を引いてテンパイ。これをダマテンで松本からアガって一気通貫・ドラの7700点をゲット。大胆なチャレンジで親跳満は逃したものの、事なきを得た。

　魚谷のチャンスはここで終わらなかった。南4局、魚谷はマンズで1メンツ、ソウズで3メンツあるところから、マンズを払ってチンイツへ移行。しかし狙うのはただのチンイツではない、またも伝説の役満、九蓮宝燈だ。日吉は「これこそ本当の九蓮だ！嘘だろ！」と絶叫した。12巡目、3・6索待ちでチンイツをテンパイ。九蓮宝燈になるためには1索と8索が必要のため、ここはダマテン。役満への手替わりがあるのか、それともライバルがアガリをモノにするか。誰もが固唾を飲んで見守ったこの局は、松本がまたも魚谷のアガリ牌3索を掴み、魚谷はチンイツの1万2000点を加点、九蓮宝燈の夢は持ち越しとなった。

　この局についてインタビューで魚谷は、2度のチャンスについて「どっちかは成就するんじゃないかと思ったんですけど」と悔しさを隠せなかった。南1局1本場について「時間があったので、九蓮変化テンパイまで行けたらいいなと思いました」と語った。またオーラスについても「九蓮は特別な役満だと思っているので、チャンスは狙おうと思いました」と素直な思いを語った。これに視聴者も「そら狙うよMリーグの舞台だぞ」「見せ場満点でした！！！」「カッコいいよ！」と賛辞を送り続けていた。

※連盟＝日本プロ麻雀連盟、最高位戦＝最高位戦日本プロ麻雀協会、協会＝日本プロ麻雀協会

◆Mリーグ　2018年に発足。2019シーズンから全8チームに。各チーム3人ないし4人、男女混成で構成され、レギュラーシーズンは各チーム90試合。上位6チームがセミファイナルシリーズ（各16試合）、さらに上位4位がファイナルシリーズ（12試合）に進出し、優勝を争う。
（ABEMA／麻雀チャンネルより）