勝利者とは思えぬネガティブ発言は、この男ならではの喜びの表現か。プロ麻雀リーグ「大和証券Mリーグ2021」2月15日の第2試合に登板したU-NEXT Piratesの朝倉康心(最高位戦)が、5万点を超える大トップでチームを首位へと浮上させた。
今期序盤のチームを支えた朝倉は前戦で4着、直近では3連敗と不調。ポイントゲッターとしての復活が望まれる当試合は、起家から朝倉、KONAMI麻雀格闘倶楽部・伊達朱里紗(連盟)、KADOKAWAサクラナイツ・内川幸太郎(連盟)、TEAM雷電・萩原聖人(連盟)の並びで始まった。まずは自身が親の東1局、ヤミテンで構えた朝倉はツモ・一盃口・ドラ3の満貫・1万2000点を奪取。早くも頭一つ抜け出したが、すぐさま萩原が追い上げ、以降、熾烈なデッドヒートが繰り広げられた。
南2局では鳴きを駆使して早々にテンパイするも、状況を加味してテンパイを崩したことで1人ノーテン。これでトップの座を萩原に譲ったが、続く南2局1本場でタンヤオのみ1000点(+300点、供託1000点)をアガって瞬時に逆転すると、南3局では6巡目にかけたリーチを一発でツモり、リーチ・一発・ツモ・平和・ドラ・裏ドラの跳満・1万2000点を奪取して勝利を確定的なものとした。
「かなり正直、恥ずかしい麻雀を打っていた」。勝利者インタビューで「吐きそうです」と試合を振り返った朝倉は、リポーターも驚くいきなりのネガティブ発言。「自分としては後悔する打牌は少ない」としたものの、「アガリ逃しだったり、裏目だったり、変な待ちだったり、真っ直ぐ打ってない麻雀が続いていた」と反省し、「これでトップを取れなかったら悲惨だなと思いながら必死に頑張ってました」と続けた。朝倉は日頃からTwitterで積極的に発信し、視聴者からの反応も気にするタイプ。それだけに5万5600点の大トップにも「後でネットの反応を見るのが怖い」としたが、「今だけはトップを取ってすごい良い気分」との言葉通り、実況や解説を「トップの後でも反省とネットの反応を忘れない」と笑わせたネガティブ発言は、チームをトップへと押し上げた価値ある勝利に喜びを感じたからこそのコメントなのだろう。
【第2試合結果】
1位 U-NEXT Pirates・朝倉康心(最高位戦) 5万5600点/+75.6
2位 TEAM雷電・萩原聖人(連盟) 4万4700点/+24.7
3位 KADOKAWAサクラナイツ・内川幸太郎(連盟) 4700点/▲35.3
4位 KONAMI麻雀格闘倶楽部・伊達朱里紗(連盟) -5000点/▲65.0
【2月15日終了時点での成績】
1位 U-NEXT Pirates +312.7(76/90)
2位 EX風林火山 +281.1(76/90)
3位 渋谷ABEMAS +236.6(76/90)
4位 セガサミーフェニックス +225.4(76/90)
5位 KONAMI麻雀格闘倶楽部 +129.4(76/90)
6位 KADOKAWAサクラナイツ +39.3(76/90)
7位 赤坂ドリブンズ ▲139.7(76/90)
8位 TEAM雷電 ▲1104.8(76/90)
※連盟=日本プロ麻雀連盟、最高位戦=最高位戦日本プロ麻雀協会、協会=日本プロ麻雀協会
◆Mリーグ 2018年に発足。2019シーズンから全8チームに。各チーム3人ないし4人、男女混成で構成され、レギュラーシーズンは各チーム90試合。上位6チームがセミファイナルシリーズ(各16試合)、さらに上位4位がファイナルシリーズ(12試合)に進出し、優勝を争う。
(ABEMA/麻雀チャンネルより)