11日午後9時すぎ、愛知県一宮市の住宅で、高桑姫茉梨ちゃん(5)、菜乃華ちゃん(3)、咲桜ちゃん(0)の姉妹3人が死亡しているのを帰宅した父親が見つけ119番通報した。
【映像】「良からぬことが頭によぎった」“孤立育児”の現状...小児科医が実体験を語る
警察は母親の高桑姫華容疑者(27)を咲桜ちゃんへの殺人未遂の疑いで緊急逮捕した。警察の調べに対し、高桑容疑者は「殺してしまったが殺意をもっていません」「気持ちが不安定だった」と供述している。長女と次女についても、殺害をほのめかしているという高桑容疑者。
そんな中、SNS上であるツイートが話題になっている。
「明日は我が身と感じた親の声は少なくない。自分も子供好きだが、当直明けに泣き叫ぶ娘をどうにかしたいと、よからぬことが頭をよぎった経験も。睡眠不足、疲弊状態では正しい思考が保てない。男性は育児を、社会は支援を」
投稿したのは、産科医療漫画『コウノドリ』の監修などを務めた新生児科で小児科医の今西洋介さん。自身も3人の娘を持ち、三女が生まれたときに育休を初めて取得した。
「実際に1人で育児・家事を、1カ月ちょっとしたわけですね。そうすると、やはり小児科医として常にお母さん方のそばにいて寄り添っていたつもりでした。育児と家事の、つらさが全然分かってなかったなと」
仕事では当直で寝られないときがあっても、朝が来て勤務は終わる。しかし育児に際限はない。
「僕の場合は、当直明けで5時間ぐらい泣き叫ぶ娘と一緒にいた時に、何もしないですけど、よからぬ事を考えてしまうこともあった。世間の反応を見てると『子どもかわいくないのか』という声もありますが、子どもの可愛さとか愛情とは、全然全く関係ないです」
余裕を失い、正常な判断ができなくなってしまう……。総務省の調査でも、育児の分担は妻が約7割、夫が3割という偏りが明らかになっている。母親の育児が孤立しがちな現状について、社会全体の問題であると警鐘を鳴らす。
「『男性は、総労働時間が圧倒的に先進国で長い』というのは、言われてることで、社会的な構造がいくつも絡んだ結果、そういうことが起きてしまって、孤立した子育てになってしまっているというのが現状かと思います」
実は、日本で育児給付金を受給できる父親の育休期間は、最大1年(画像:ユニセフ「先進国における家族にやさしい制作ランキング ※2016年」より)。これは世界的に見ても長く、韓国に次いで二番目。しかし、実際に取得しているのは、12.6%。男性が育休を取得しづらい社会の雰囲気を改善することが、喫緊の課題だという。
また、内閣府の男女共同参画局の2018年の調査によると、6歳未満の子どもを持つ家庭で、1日あたりの日本の育児・家事をする時間を世界と比べると、妻が7時間半と世界でもトップレベル。一方で、夫は1時間半と世界最低レベルになっている。
「女性にできて男性にできない育児って直接授乳だけ。男性も育児をすることと社会全体での育児をサポートしないといけない。(母親を)完全に任せて休ませる時間が、社会全体の共通認識として必要だと思う」
(『ABEMAヒルズ』より)
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