同じ画面で複数の授業の動画を見るいわゆる“同時視聴”の行動が、波紋を呼んでいる。
騒動になっているのは早稲田大学商学部の必修科目「ビジネス法入門」だ。この科目では、新型コロナの感染対策として、オンライン授業になっていた。期限内におよそ40本の授業動画を視聴することで出席扱いとなり、これが単位取得の条件の一つだった。
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しかし、大学側は複数の授業動画を同時に再生している学生を確認。該当科目で同時視聴していた受講生が半数以上いたという。これに対し大学側は不正受講として、同時視聴したおよそ100人に「単位を認めない」と通知した。
Twitterでは「再生さえしていれば、見ていなくても単位とれるの?」「試験の成績で評価すべきでは?」といった疑問の声のほか、「学校側が事前に禁止事項を決めていないのが問題では?」と大学側の落ち度を指摘する声も寄せられている。
この騒動を紹介したニュース番組『ABEMA Prime』では、司会で自身も早稲田大学OBであるテレビ朝日・平石直之アナウンサーが「出席したからそれでいいのか、以前からある問題だ」とコメント。「代返と言って代わりに返事をしたり、代筆といって(いない人の)名前を書いたり、出席の名前だけ書いて帰っちゃうことは以前からあった」と指摘した。
早稲田大学からの通達には「春学期にも同様の不正視聴を行なって単位取得したものがおり、それを我々が見逃してしまったからこそ、受講生の半数以上が安易に不正視聴に手を染めたのであり、寛大な処分をするべきであるとも考えました」とある。
通達における“寛大な処分”は「単位を落とす」ということであり、寛大ではない処分として大学側は「停学や全科目の不合格に該当する行為として取り扱うことを商学部長に求めることも考えた」という。また、そもそも「ビジネス法入門」という科目は「ビジネスの世界において、法令遵守、コンプライアンスが重要であることを学び、将来万が一にも就職先の企業等において、企業の信用失墜、破綻、損害賠償責任の負担、刑事責任の発生をみなさん自身が起こさないようにという意味も込めて、早稲田大学商学部の必修科目になっている」とした。
コロナ禍で対面授業が限られる中、平石アナは「先生側も大変だ。急にコロナが流行ってリモートでやらなきゃいけなくなった」と教員を気遣った上で「今はマルチタスクが当たり前の時代だ」と言及。「『きちんと再生しなさい』と言うことが、本当に今いいのだろうか。早稲田大学の通達を見ると『学問の厳しさを教え込むべき』という表現があるが、これ(同時視聴)は学問の厳しさと関係があるのだろうか。マナーとか、そういう話ではないか」と疑問を述べた。
「学生に『要領よくやったね』と。先生は『やられちまったな。今度はもっと試験を難しくしてやろう』ぐらいのことを言ってくれたらいい。本当に動画を見ないと解けない問題を作るくらいでいいのではないか。大学側の通達文書が学生たちに厳しい。でも、受講生の半数に見てもらえていない現実は、先生方は受け止めたほうが私はいいと思う。もっと見てもらえるためにどうしたらいいか。それも愛情としてあるべきだ」
(『ABEMA Prime』より)
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