いよいよ本番を迎える就活シーズン。新型コロナの影響でウェブでの採用面接を導入する企業が増えている中、お互い素顔をさらさない「バーチャル空間での面接」を試みようとする企業が話題になっている。
面接官「はい、ではバーチャル面接を始めます。よろしくお願いします」
就活生「よろしくお願いします」
面接官「このバーチャル面接を受けようと思ったきっかけは何ですか?」
採用担当として現れたbeyondちゃん。そして、beyondちゃんと話している謎の生き物は、就活生のUFOちゃんだ。ふたりとも、決してふざけているわけではなく、れっきとした新卒採用面接のシミュレーションだ。
クラウド・サーバー事業を手掛ける株式会社ビヨンドでは、2023年度の新卒採用でアバターを使った「バーチャル面接」を実施すると発表。エントリーの際に必要な情報はメールアドレスとニックネームだけで、学歴や性別などは一切不要だという。書類選考を通過した応募者が面接に進む。
この取り組みについて、ニュース番組『ABEMAヒルズ』では、株式会社ビヨンドの原岡昌寛社長を取材。アバターはビヨンドが紹介しているツールのほか、応募者が独自で使っているもの、お面つけるだけでも問題ないという。
自分でアバターを設定するか仮面や被り物を着けるなど、とにかく「顔を隠すこと」が義務付けられている、このバーチャル面接。ボイスチェンジャーで声を変えても問題ないという。
自身のTwitterに「外見や表面上の肩書きにとらわれることなく、就活生の内面をより重視した採用をするのが狙いです」とつづった原岡社長。番組の取材に対し「やっぱり面接で力を出し切れない人って、けっこういると思うんです」と話す。
「特に技術を学んできたエンジニアであったり、理系の方がうまく、自分の個性だったりとか、アピールできないまま面接を終えてしまうことがある。実際に顔を出さないことで、リラックスした状態で、本当の自分を出せるというか。実際に話したかったことをどんどん(応募者が)PRしていけるんじゃないかなと思っています」
将来性があってもアピールが苦手で、なかなか目にとまることのなかった人材の獲得。さらに、使用するアバターから応募者の創造性や個性がわかるといい、原岡社長は「面接する側にも、これまでと違う面接のスキルが求められるのかなって思っていて。いろいろな角度からの質問ができるんじゃないかなと考えている」という。
従来の面接と比べて、より柔軟な視点で応募者を見ることができると話す原岡社長。一見、奇抜な選考方式だが、その目的は「より深く人を知ること」。
「新卒採用は本当にポテンシャル、『人』をより見て採用したいと思っているので。どんなアバターで参加される方が出てくるのか、その学生のその創意工夫であったり、実際に内面がどのように知れるか、すごく楽しみにしています」
(『ABEMAヒルズ』より)
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