得と判断したなら、動かない手はない。プロ麻雀リーグ「大和証券Mリーグ2021」2月24日の第2試合、オーラスに赤坂ドリブンズ・園田賢(最高位戦)がお家芸の鳴きを入れ、その結果としてラス目のTEAM雷電・萩原聖人(連盟)が満貫ツモ。園田は親被りしたことで、2着のKADOKAWAサクラナイツ・堀慎吾(協会)とトップが入れ替わるという出来事があった。試合後は苦悶の表情を浮かべながらも「あれは鳴くんです!」と主張し、内容に悔いはないことを視聴者へ伝えた。
場面は南4局、堀と園田はわずか1600点差。そこへラス回避を目指して、萩原がリーチをかけてきた。萩原の満貫以上のツモ、流局でも堀とのテンパイ・ノーテンで逆転されてしまう園田は堀の様子も見ながら回し打ち。終盤、堀が切った九万に園田は長考し、これをチー。「萩原さんがハイテイなので、“リーヅモドラ1”に“ハイテイ”みたいので親被りは最悪なので」という理由の鳴きだが、結果論ではこれは最悪の動き。直後に萩原がアガリ牌を引き寄せて、園田は恐れていた満貫のツモアガリを決められてしまった。
これまで数多くの場面で “魔法の鳴き”を駆使し、勝利を収めてきた園田。この鳴きも決してエラーではなく、むしろ自分の得を追求した上での決断だ。代名詞でもある鳴きを入れたことで、皮肉にも逆転負けを喫したが、これには「テンパイを取りに行ってますよ、というところを見せると、堀さんがめちゃくちゃキツい最後のスジみたいのを引いた時に『これはさすがにやめとくか(とオリてくれる)』みたいな展開があるかなって」と説明した。さらに視聴者の反応も気にかけて「みなさんコメントで『またこのクソチーが』ってめちゃくちゃになっちゃってると思うんですが、あれはね、鳴くんです!」と一息に語った。
これに視聴者からは「最後のチーは仕方ないよ」「鳴いた方がいいだろ明確にw」「鉄チーだよ」と園田をフォローする声も多く、また「コメントまで読めてるw」と園田の洞察力や頭の回転の速さに改めて驚く声も投稿されていた。
逆転負けを喫したものの、2着でポイントを少し戻した園田。それでもチームは▲191.2と、上位のKONAMI麻雀格闘倶楽部とは300ポイント以上の差が付き、セミファイナル進出の目標は土俵際へ追い込まれた。自分たちの戦い方を信じ切り、最後まで少しでも得な選択を繰り返すことが、ミラクルを起こす唯一の方法だ。
※連盟=日本プロ麻雀連盟、最高位戦=最高位戦日本プロ麻雀協会、協会=日本プロ麻雀協会
◆Mリーグ 2018年に発足。2019シーズンから全8チームに。各チーム3人ないし4人、男女混成で構成され、レギュラーシーズンは各チーム90試合。上位6チームがセミファイナルシリーズ(各16試合)、さらに上位4位がファイナルシリーズ(12試合)に進出し、優勝を争う。
(ABEMA/麻雀チャンネルより)








