世界に誇る、日本の“オタク文化”。インターネットの普及で世界中の人とつながれるようになる中、オタク特有の言葉を英語に翻訳した書籍が発売予定だという。
【映像】“推し活”英語4フレーズ!実際の発音(5:30ごろ〜)
その書籍のタイトルは『世界が広がる 推し活英語』。その名の通り“推し活”に関する言葉が英語に翻訳されていて、さらには英語の”ファンレターの書き方”も掲載。予約開始以降、注文が殺到するほどの話題作となっている。
推しを応援する活動、いわゆる推し活の際に使われる「〇〇しか勝たん」に代表されるユニークな言葉の数々。一見、英語で表現するのも難しい気もするが、翻訳するとどうなるのだろうか。流暢に英語を話せる「ABEMA NEWS」の楪キャスターが推し活英語を実践した。
case1:~推しのライブ終わり~
人生を捧げ、応援してきた推しのライブ終わり。パフォーマンスを十二分に堪能し、興奮がさめやらない。「高ぶる気持ちを英語で伝えたい!」こんな場面がきっとあるはず。そんな時に使うのがこのフレーズ。
「So damn precious…(尊みがすごい…)」
「To say the least, this is awesome.(控えめに言って最高だわ)」
case2:~海の向こうの推し友へ~
推しが登場するアニメの最新話を見た。海の向こうの推し友に感想をメールで伝えたい。そんな時に使うのがこのフレーズ。
「My vocab is gone…(語彙力が死んだ…。)」
「My fave is so precious.(推しが尊い。)」
多彩な表現を使うことで、さらに広がり深まる日本のオタク文化。推し活英語の編集を担当したのは、自身もアイドルやアニメが好きだと話す「学研プラス」の澤田未来さん。自身が感じたもどかしさが出版のきっかけになったという。
「海外の友人と好きなものについて語り合う時に、『I love』とか『I see』みたいなありきたりな表現でしか話したり、受け答えができなかったりすることがすごくもどかしく感じていて、もっと豊富な語彙を持っていれば、自分の好きも伝えられて相手の好きも受け止められるし、お互いの距離も縮まるのにと歯痒く感じていた経験からですね」
そんな思いから、日本人に向けた『オタク用語の翻訳本』出版を決意した澤田さん。本に掲載する言葉は日本のオタク100人に実施したアンケートをもとに選定している。そこで大きな課題となったのが文章の細かいニュアンス。直訳するだけでは意味が伝わらない言葉をどう表現するか、澤田さんはSNSに投稿された英文を1年間徹底的に研究し、地道な作業を経て、本の出版へとこぎつけた。
「『尊みがすごい』とか『沼にハマった』みたいな表現が、まずその概念が英語圏のオタクにあるのかというのを地道にSNSを見ながら調べていって『この言葉とこの言葉はニュアンスが近い』みたいなものを照合しながら組み合わせていって、数百のフレーズリストをネイティブスピーカーに渡して、チェックしてもらいながらリアリティを追求してきました」
こうして作られた、330の単語と477のフレーズが収められている推し活英語。澤田さんは「国境を越えたオタクあるある」に共感しながら本を読んでほしいと期待感をのぞかせる。
「英語表現の意味を知りたい人とか、最新のオタク用語・オタクフレーズについて、触れてみたい人、割とそういう幅広い方に楽しんでもらえるものだと思っています。国内外のオタク事情を知ってみたいとか、そういった方々にはイラストの満載の楽しい読み物としても読んでいただけると思いますし、そんな使い方をして頂けたら嬉しいなと思います」
推し活英語は実際に伝わるのだろうか。「ABEMAヒルズ」は、番組コメンテーターでバイリンガル医師のニコラス・レニック氏にも発音してもらった。
「Omg,wait no,I can’t,it’s too much!(待って!無理 しんどい。)」
「My fave is so precious.(推しが尊い。)」
「My vocab is gone…(語彙力が死んだ…)」
「My fave looks happy and that’s matters.(推しが幸せそうで何より。)」
上記の表現についてレニック氏は「個人的に日本語から英語に訳すことが難しい。“OSHI”については“fave”に置き換えるのもいいですし、思い切って“OSHI”にしてもいいと思う。もし相手に聞かれた際に、日本の文化について説明することでその言葉が伝わっていくと思う」と説明した。(『ABEMAヒルズ』より)
■Pick Up
・「ABEMA NEWSチャンネル」がアジアで評価された理由
・ネットニュース界で話題「ABEMA NEWSチャンネル」番組制作の裏側