ヒーローには逆転勝利がよく似合う滝沢和典、個人8勝目でMVPにも接近中／麻雀・Mリーグ

　レギュラーシーズン突破へ大きく歩みを進めるトップだ。プロ麻雀リーグ「大和証券Mリーグ2021」2月25日の第1試合、KONAMI麻雀格闘倶楽部・滝沢和典（連盟）がオーラスに大逆転、今期8度目となるトップを獲得した。

　レギュラーシーズン突破へ、7位赤坂ドリブンズとの直接対決がまだ残っている状況。直接当たらないからこそこの試合はポイントを積み重ね、プレッシャーを与えたいところ。滝沢は東家スタートとなり、続いて渋谷ABEMAS・白鳥翔（連盟）、U-NEXT Pirates・小林剛（麻将連合）、EX風林火山・二階堂瑠美（連盟）の並びで試合は開始した。

　東2局1本場、滝沢はカン六万のテンパイに構えると、これを白鳥からロン。タンヤオ・ドラ2の3900点（＋300点、供託1000点）で、この日最初のアガリをゲットした。次局、東3局は役満・ツモリ四暗刻のリーチをかけるがこれは流局、空砲に終わり、その後しばらく滝沢にはアガリを掴めない時間帯が続いた。

　小林、白鳥と3者競り合いの状況で迎えた南4局。滝沢のトップ条件は満貫をトップ目の白鳥から直撃するか、跳満のツモか出アガリだ。ドラが七万で、滝沢はマンズが多い手牌。染まれば高いが、リャンメンがなくテンパイすら苦しい形。仕掛けも見据えて字牌は温存し、ピンズとソーズを並べていくと、3巡目にペン三万、5巡目には赤五万を引き、これでアガリへのターツが足りた。実況の松嶋桃（協会）の声も「滝沢の手がすごいことになってきた！跳満ありますよこれ」と熱気を帯びる。7200点差の小林をマクり、2着浮上で試合を消化することも非常に価値があるため、打点の折り合いをどこで付けるのか、視聴者も注目を集める。

　待望のテンパイは12巡目。直撃を狙い、トップ目の白鳥が切っている一万待ちの七対子に取るか、待ちが2種類に取れるメンツ手にして、東と西のシャンポン待ちかの選択だ。小考して滝沢は「引きそうだな」と感じた後者を選ぶと、これが大英断となる。すでにテンパイを果たし、後はアガるだけの白鳥が東を掴み、滝沢はホンイツ・一盃口・赤の8000点を直撃、劇的な逆転トップを決めた。

　インタビューで滝沢は「見ている方も3着でガックリする準備をされていたと思うんですけど、よかったです」と笑顔を見せた。この日、利き腕の調子が悪く、しびれもあったと明かして「四暗刻の時（手が震えても）逆にバレなくていいなって」と語り、笑いを誘う一幕も。

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　これで8勝目、MVPも見えてきた。「目立つとライバルに狙われる」という理由でMVPは狙わないとしていたが、もうそれもいい頃合いだ。タイトルへの意識について滝沢は「少しですよ。まずはセミファイナル残らないと」とわずかに色気を見せた。2試合目にも出場し3着に終わったが、個人首位の瑞原明奈（最高位戦）との差は、88.2ポイントと十分に逆転可能だ。

　レギュラーシーズン突破へ向けて価値ある1勝。インタビューを終えた滝沢には「謙虚なイケメンホントに優等生や」「KONAMI優勝してくれ」「タッキー連投でいいぞ」とファンからのエールが繰り返し投げかけられていた。

【第1試合結果】

1着　KONAMI麻雀格闘倶楽部・滝沢和典（連盟）3万700点／＋50.7
2着　U-NEXT Pirates・小林剛（麻将連合）2万9900点／＋9.9
3着　渋谷ABEMAS・白鳥翔（連盟）2万6300点／▲13.7
4着　EX風林火山・二階堂瑠美（連盟）1万3100点／▲46.9

※連盟＝日本プロ麻雀連盟、最高位戦＝最高位戦日本プロ麻雀協会、協会＝日本プロ麻雀協会

◆Mリーグ　2018年に発足。2019シーズンから全8チームに。各チーム3人ないし4人、男女混成で構成され、レギュラーシーズンは各チーム90試合。上位6チームがセミファイナルシリーズ（各16試合）、さらに上位4位がファイナルシリーズ（12試合）に進出し、優勝を争う。
（ABEMA／麻雀チャンネルより）

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