2月27日、K-1の東京体育館大会でエース・武尊がエキシビションマッチを行なった。 武尊は6月に世紀の一戦、那須川天心との一騎打ちが控えている。試合は昨年3月以来。「1試合挟みたい」と語っていたところに用意されたのが今回のエキシビションだ。

 相手を務めた軍司泰斗はK-1のフェザー級チャンピオン。K-1アマチュア、K-1甲子園、Krush、K-1と全段階でトップとなり“K-1の申し子”と呼ばれる。

「今回は軍司選手とやることに意味があった」

 そう語っている武尊。K-1を引っ張ってきた人間と、これからのK-1を担う人間が拳で会話する。そんなシチュエーションでもあった。

 グローブは14オンス、レガース着用だが、お互い公式戦と変わらない練習を積み“本気モード”での闘いを予告。実際、武尊はゴングが鳴るといつものように圧力をかけ、パンチを放っていく。軍司はファーストコンタクトのローキックをもらった瞬間、武尊が“ガチ”だと感じたそうだ。

 軍司も武尊の圧に負けずに攻撃を繰り出し、激しい打ち合いになる場面も。シャープなワンツーは何度か武尊の顔面を捉えていた。あっという間の2分2ラウンドだったと言っていい。

 このエキシビション、那須川戦に向けての“アピール”と考えると、物足りなく感じるファンもいたかもしれない。軍司を圧倒してほしかった、と。ただK-1王者はそれほど甘くないし、武尊自身は“アピール”のための場とは考えていなかったのではないか。では何のための場かといえば、那須川戦に向けた“ステップ”だ。

 K-1を背負って那須川戦に臨む武尊は、同じK-1王者である軍司から「いいパワーをもらった」と言う。「もし僕がK-1からいなくなっても、最高の舞台をみんなで盛り上げてほしい」という言葉もあった。

 軍司のパンチをもらったのは武尊のファイトスタイルからすると“想定内”でもある。常に前進して攻撃するのが武尊の闘い方であり、打ち返されることも多い。それでも、下がりながらのパンチより前に出て殴るほうが強い。そうやって武尊は勝ってきた。

 また、武尊は那須川戦のためにサウスポー対策の練習を重ねており、オーソドックスの軍司との闘いは勝手が違ったというところもある(それも踏まえた上で、武尊は軍司のうまさを讃えていた)。

 スタイルの違いも含め、軍司は“仮想・那須川天心”ではなかった。本気でありつつ、ケガをしないことを意識しながらの闘いでもあった。

 そんな中で武尊がポイントにしていたのが、コンディション作りだ。那須川戦は前日計量58kg、当日は「4kg戻し」の62kgがリミット。それに向けての減量、万全な状態でリングに上がるためのシミュレーションという意味が、今回のエキシビションにはあった。そして、その面で課題が見つかったと武尊。

「(課題に)気づけてよかった。ただ体重を落とすだけじゃなく、動ける体をキープしながら落とすのが大事なので。水抜きのダメージを残さないようにリカバリーしたり」

 那須川戦での武尊は、より完璧な状態でリングに上がることができるだろう。そのためのデータを今回、得たわけだ。「やってよかったことしかないです」と武尊。

 K-1で3階級を制覇、現在は60kgのベルトを持つ武尊だが「体重を落としたことでスピード、キレは上がってるなと感じましたね」。

 それを那須川にどう当てるかがポイントだと、そこまで見据える武尊。世紀の一戦を最高の状態で迎えるために、ホームリングで重要な段階を踏んだと言えるだろう。

文/橋本宗洋

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