思わず“地球代表”の声もひっくり返ってしまった。「第1回ABEMA師弟トーナメント」準決勝の第2試合、チーム深浦とチーム鈴木の対戦が2月26日に放送された。この第2局で、チーム深浦の佐々木大地六段（26）がチーム鈴木・鈴木大介九段（47）に痛い逆転負けを喫したが、これを見ていた佐々木六段の師匠・深浦康市九段（50）が大騒ぎに。逆転された場面では「やめてー！」、敗北が決まった瞬間は「かー！」と裏声になったり、天を仰いだりと大きなリアクションが連発となった。
深浦九段は、羽生善治九段（51）や藤井聡太竜王（王位、叡王、王将、棋聖、19）が、人間離れした強さを誇ることから「将棋星人」と呼ばれるのに対して、そこから地球を守る「地球代表」という呼び名でファンから親しまれている。対局中でも絶対に最後まで諦めず、顔面を紅潮させてまで戦う姿があり、応援するファンも多い。
そんな熱い深浦九段だけに、愛弟子の戦いにも熱くなる。序盤、佐々木六段がはっきりと優勢になり、間違いさえ起きなければ快勝につながるという流れだったが、中盤・終盤と鈴木九段の反撃を受けたところで、みるみる形勢が怪しくなった。これを会議室で見ていた深浦九段は「いやー、危ない、やめて！」と声が裏返ってしまった。その後、形勢不明の大混戦になり、瞬間的には鈴木玉に詰みが生じていたと思われたが、このチャンスを逃して最後は競り負け。ここでも深浦九段は「かー！詰将棋やれって言ったのに！」とボヤキながら、天を仰ぐことになった。
続いて行われた第3局でも、劣勢に追い込まれた佐々木六段に対して、モニタ越しに「諦めないよ！空を見ないよ！」と必死に呼びかけた深浦九段。将棋への、弟子への思いの強さが改めて伝わる応援ぶりだった。
◆第1回ABEMA師弟トーナメント 日本将棋連盟会長・佐藤康光九段の着想から生まれた大会。8組の師弟が予選でA、Bの2リーグに分かれてトーナメントを実施。2勝すれば勝ち抜け、2敗すれば敗退の変則で、2連勝なら1位通過、2勝1敗が2位通過となり、本戦トーナメントに進出する。対局は持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールールで、チームの対戦は予選、本戦通じて全て3本先取の5本勝負で行われる。第4局までは、どちらか一方の棋士が3局目を指すことはできない。
（ABEMA／将棋チャンネルより）
