2月27日、核を含む抑止力部隊を厳戒態勢に移すよう指示したロシアのプーチン大統領。同日にはベラルーシで憲法改正の是非を問う国民投票が行われ、「自国領を非核地帯とし中立国を目指す」との現行の条文が削除されたほか、28日にはロシアのショイグ国防大臣がプーチン大統領に対しロシア軍の戦略核兵器部隊が戦闘態勢に入ったことを報告したと発表している。
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28日夜の『ABEMA Prime』に出演したジャーナリストの堀潤氏は「プーチン政権は、ある意味でウクライナの喉元にナイフを突きつけながらという非常に優位な立場で交渉に臨み、一方的な条件を飲ませようとしている。ウクライナ側が要求は飲めない、私たちの領土は一歩も譲らないとなったとき、現実的に核の使用はあるのだろうか」と問題提起。
これに対し、元防衛省防衛研究所主任研究官で上智大学教授の湯浅剛氏は「希望的観測だが、核抑止力を特別警戒態勢にするというプーチン大統領の発言は、現段階ではあくまでも“言葉の上”での言及だということだ。本当に使用すれば、それこそ現代の国際秩序を崩壊させることに繋がる。核は互いに戦争をさせないという“抑止”のための武器で、使用するということはあり得ない。国家指導者として当然プーチン大統領もそれを肝に銘じていると信じたい」とコメント。
堀氏は「そういう思いがプーチン大統領に伝わればいいが、ロシアには小型化された戦術核がある。これまでのような“使えない核”から“使える核”を目指してきたわけだし、今のプーチン大統領は尋常ではない。私も希望を持って、使わないでほしいということは言いたいが、ウクライナ国民の中には、自分たちの国を自分たちで守ろうという力強いものがあるし、ゼレンスキー政権も簡単にはイエスとは言わないだろう。また、ロシア軍がキエフ中心に入って来られないのはウクライナ軍の善戦もさることながら、核使用を考えて部隊を中心部まで派遣していない、という可能性もあるのではないだろうか」と懸念を示した。
湯浅氏は「それもあまり想定したくない。キエフを核で全く破壊してしまうことは、ロシアの国内世論には弁明がつかない行為ではないか」と話していた。(『ABEMA Prime』より)
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