2月23日、愛知県・名古屋国際会議場でプロレスリング・ノアのビッグマッチ『GAIN CONTROL 2022 in NAGOYA』が行われた。

 メインイベントは王者・中嶋勝彦が、最強のチャレンジャーである“野獣”藤田和之を迎え撃ったGHCヘビー級王座5度目の防衛戦。試合は、#野獣大解放 という今大会のツイッターハッシュタグのとおり、藤田がその野性を解き放つ激闘となった。

 2・9後楽園でのタッグ前哨戦では、強烈な顔面蹴りで中嶋にピンフォール勝ち。タイトル戦2日前の調印式でもビールをジョッキで飲み干し前祝い。怒りの中嶋に頭からビールをかけられても「最高。やるまえからビールかけしてもらっちゃったよ」と、終始余裕を見せていた藤田和之。

 試合では序盤から緊張感あるレスリングの攻防を展開。そして徐々にパワーで中嶋を圧倒すると、インディアンデスロックから珍しい足4の字固めに移行し、武藤敬司ばりのLOVEポーズで余裕を見せる。

 中嶋も業界最強の破壊力を誇る強烈な蹴りと張り手で反撃を試み、藤田にスリーパーを仕掛けられると、そのまま背面で押さえ込み、あわや3カウントというシーンを作る。これはかつて2004年に中嶋の師匠、佐々木健介が藤田を秒殺した“野獣殺し”の秘策だ。

 藤田はこれをギリギリでクリアすると一気にギアを上げ勝負をかける。中嶋のヴァーティカルスパイクをラリアットでなぎ倒し未遂に終わらせると、ビーストボムから顔面蹴り。そしてトドメのビーストボムを再度爆発させ完璧な3カウントを奪取。“猪木イズム最後の継承者”と呼ばれ、かつてIWGPヘビー級やIGF王座に君臨した藤田が、ついに“方舟の至宝”GHCヘビー級のベルトを獲得した。

 試合後、昨年12月27日の「杉浦軍興行」で藤田と30分時間切れ引き分けの死闘を展開した田中将斗がリングイン。缶ビールを藤田の頭からかけ、「次は俺や!去年引き分けた続きやろうや」と挑戦表明すると、藤田もこれを不適な笑みで受諾。その後、3・21福岡国際センターでのGHCヘビー級タイトル戦が正式決定した。

 バックステージのコメントスペースで藤田は、杉浦、カシン、そして藤田の娘がファンだという若手の宮脇純太とともにビールで乾杯。そして「ノアは本気を味わう場所だと確信した。本気の舞台で本気で闘えるのはすごく幸せなこと。しんどい期間、つらい期間もあったけど楽しかった。これで俺のノアになったからには楽しみにしていてくれよ!」と満足げに王者としての所信表明を行った。

 もはや外敵ではない。流れの早いノアマットをこれからは野獣が引っ張っていく。

 この日は他にもGHCタイトルマッチが二つ組まれた。まず、ペロス・デル・マール・デ・ハポンを追放されノア正規軍入りしたYO-HEYが小峠篤司と組み、STINGERのHAYATA&進祐哉と対戦したGHCジュニアヘビー級タッグ王座決定戦は、序盤から終始STINGERペース。YO-HEYがドロップキックで反撃を試みるも単発で終わっていたが、必死の粘りを見せると、小峠の援護を受け最後はYO-HEYがコーナー最上段からのダイビング式の顔面Gを進に炸裂させピンフォール勝ち。YO-HEYはベルトを巻くことで、ノアジュニア正規軍として新たなスタートを切った。

 試合後は、YO-HEYを追放したペロス・デル・マール・デ・ハポンのNOSAWA論外と鈴木鼓太郎が登場し挑戦宣言。小峠&YO-HEY初防衛戦の相手が、因縁深いNOSAWA&鼓太郎となることが決定的となった。

 続いて原田大輔がスペル・クレイジーをウラカンラナで下し、GHCジュニアヘビー級王座2度目の防衛に成功。4月29日に両国国技館で予定されているノアジュニアの祭典『N Innovation』に弾みをつけた。

 また大会途中で、先日WWEを退団した鈴木秀樹がビジョンに登場し、杉浦軍への復帰を宣言。3・13横浜武道館で行われるGHCタッグ王座決定トーナメントに杉浦と組んで出場することが決定した。クセのある実力者がまたひとり加わり、春のノアマットは風雲急を告げてきた。