およそ3カ月ぶりの勝利は、オーラスでの逆転劇だった。プロ麻雀リーグ「大和証券Mリーグ2021」3月1日の第1試合では、TEAM雷電の瀬戸熊直樹(連盟)が昨年11月2日以来のトップ。ファンからは「なんか泣ける」「熊さんよかった」「最高の結果」などと祝福の声が殺到し、Twitterでは「瀬戸熊さん」がトレンド入りした。
昨年末には、麻雀最強戦2021で優勝して男泣き。初の最強位に輝いた瀬戸熊だが、今期のMリーグでは不振に喘いでいる。試合前の時点で、個人成績は▲417.9ポイントの32位。その不調ぶりは実況や解説も「こんな瀬戸熊は見たことがない」と首を傾げるほどで、7位と大きく離された最下位というチーム事情もあり、ラスを引いても試合後のインタビューにすら呼ばれない厳しい状況が続いた。そんな中での当試合は、起家から渋谷ABEMAS・日向藍子(最高位戦)、瀬戸熊、EX風林火山・松ヶ瀬隆弥(RMU)、KADOKAWAサクラナイツ・沢崎誠(連盟)の並びで開始。瀬戸熊は東1局で幸先良くリーチ・ツモ・タンヤオ・赤2・裏ドラの1万2000点をアガるも、続く親の東2局で仕掛けたリーチは松ヶ瀬に捌かれ、その時点では「やっぱり雲行きが怪しい」と感じていたそうだ。
東3局では沢崎が2000点(供託+1000点)、東4局では日向が2600点のアガリ。南1局では沢崎が跳満・1万2000点を獲得し、ついに瀬戸熊はトップ目から陥落したが、ドラマは終盤に待っていた。松ヶ瀬と瀬戸熊のテンパイ流局で迎えた南3局1本場、三色同順・赤の2000点(+300点、供託1000点)をアガって若干ながらも差を縮めると、南4局1本場では自身の風牌且つドラの西を鳴くなどして3索・6索待ちでテンパイ。そのアガリ牌が日向から零れ落ちると、西・赤2・ドラ3の跳満・1万2000点(+300点、供託1000点)を完成させ、見事に逆転勝利を飾った。
瀬戸熊は時折、左腕にテーピングを巻いて試合に挑んでいる。そのテーピングには戒めの言葉を記しているそうで、この日の言葉は「ふわっと打たない」。これが効果を発揮したのか、久しぶりの勝利で呼ばれたインタビューではしみじみと喜びを噛みしめると共に、チームメイトの著書をプロモーションするなど饒舌。「こんな僕らでもファンは一生懸命、応援してくれている。ファンの気持ちに応えたい」。誰よりもファンを大切にする卓上の暴君は、試合がある限りチームの信条「面白い麻雀」を打ち続ける。
【第1試合結果】
1位 TEAM雷電・瀬戸熊直樹(連盟)4万6100点/+66.1
2位 KADOKAWAサクラナイツ・沢崎誠(連盟)3万7900点/+17.9
3位 渋谷ABEMAS・日向藍子(最高位戦)8400点/▲31.6
4位 EX風林火山・松ヶ瀬隆弥(RMU)7600点/▲52.4
※連盟=日本プロ麻雀連盟、最高位戦=最高位戦日本プロ麻雀協会、協会=日本プロ麻雀協会
◆Mリーグ 2018年に発足。2019シーズンから全8チームに。各チーム3人ないし4人、男女混成で構成され、レギュラーシーズンは各チーム90試合。上位6チームがセミファイナルシリーズ(各16試合)、さらに上位4位がファイナルシリーズ(12試合)に進出し、優勝を争う。
(ABEMA/麻雀チャンネルより)







