個人よりもチーム優先。プロ麻雀リーグ「大和証券Mリーグ2021-22」3月8日の第1試合に登板したKONAMI麻雀格闘倶楽部の滝沢和典（連盟）が、開幕当初からのブレないスタイルを貫きながらトップを手繰り寄せた。滝沢は今期、安定した成績を残しており、前日までの個人順位は279.0ポイントで3位。MVPを狙える位置にいるが、この日も試合前には「個人MVPよりもチームの4位」と語っていたように、チームのために打ち続けた結果が勝利へとつながった。
前日までにチームは5位。セミファイナル進出圏外の7位とは大きく差を付けているものの、1つでも上の順位を目指す滝沢は、この日も「フォア・ザ・チーム」の精神での打ち筋に徹した。当試合は、起家から赤坂ドリブンズ・村上淳（最高位戦）、滝沢、セガサミーフェニックス・茅森早香（最高位戦）、TEAM雷電・瀬戸熊直樹（連盟）の並びでスタート。茅森が東2局で5200点、東3局で1万2000点と得点を重ねる中、滝沢は東3局1本場で鳴きを駆使して清一色・赤の跳満1万2000点（＋300点、供託1000点）をアガリ、茅森を追随する。
一方、自身が親の南2局では、村上の打点が高いと読んで「念のため辞めました」と躊躇せずテンパイ崩し。南3局では、その村上が茅森から1万2000点（供託1000点）を奪取して1着目に躍り出るも、続く南4局、滝沢はドラの發が暗刻という絶好の配牌を活かし、發・ドラ3の満貫8000点を完成させて逆転トップで試合を終えた。
「ああいう時、村上さんはテンパイを取らないきゃいけない」。7位に沈むチームの村上が親だった場合の心情を察しつつ、南2局の場面を振り返った滝沢は、「僕は（無理に）テンパイを取らなくてもいい」「比較的、楽にやらせてもらっている」とチームメイトに感謝。MVPについては「見えるんですけど、どうですかね」とおどけながら「それよりもセミファイナル・ファイナルと活躍できたらいい」とし、「村上さんも最後まで諦めないって言ってますけど、厳しい状況は厳しい状況」「他のチームも一戦一戦楽しんでもらえるように打つと思うんで、僕らも頑張りたい」と敗者への気遣いも見せた。
そんな滝沢は、第2試合も監督の指示で連投。南4局で全員が2万点台という接戦の中でオーラスに放銃して4着に沈むと、リポーターの「MVPを取りたかった？」との質問には「たぶん」と苦笑いし、「欲にまみれて負けました」と自虐コメントで視聴者を大ウケさせる一幕もあった。
【第1試合結果】
1位 KONAMI麻雀格闘倶楽部・滝沢和典（連盟）3万8700点／＋58.7
2位 赤坂ドリブンズ・村上淳（最高位戦）3万700点／＋10.7
3位 セガサミーフェニックス・茅森早香（最高位戦）2万4300点／▲15.7
4位 TEAM雷電・瀬戸熊直樹（連盟）6300点／▲53.7
※連盟＝日本プロ麻雀連盟、最高位戦＝最高位戦日本プロ麻雀協会、協会＝日本プロ麻雀協会
◆Mリーグ 2018年に発足。2019シーズンから全8チームに。各チーム3人ないし4人、男女混成で構成され、レギュラーシーズンは各チーム90試合。上位6チームがセミファイナルシリーズ（各16試合）、さらに上位4位がファイナルシリーズ（12試合）に進出し、優勝を争う。
（ABEMA／麻雀チャンネルより）
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