去年、ニュース番組『ABEMAヒルズ』のエンディング曲として流れていた『シュノーケル』。この曲を作ったのは、2019年にデビューした2人組オルタナティブロックユニット「文藝天国」だ。
去年8月には自身初のワンマンライブを開催。令和のネクストブレイク筆頭のアーティストだ。そんな文藝天国を『ABEMAヒルズ』メインキャスター・柴田阿弥が直撃。ユニットが描く世界観と、社会に対する思いについて迫った。
ミュージックビデオなど、ユニットのビジュアル周りを手がける、色彩作家のすみあいか。そして、作詞作曲など、音楽周りを手がける、音楽作家のko。
そんなすみとkoがユニットを組んだのは、高校生のころで、「卒業記念に…」と、一緒にミュージックビデオを作ったのがきっかけだったという。
すみ「思ったよりも反響が大きくて、楽しいから続けようかってなって。そこで初めてユニットという形になった」
こうして、2019年にデビューした文藝天国。現在は楽曲のネット配信を中心に活動を行っている。柔らかく、透き通るような歌声が印象的だが、文藝天国には、ボーカルが不在だという。なぜボーカルがいないのか、koに話を聞いた。
「初代ボーカルが一昨年脱退。そこからボーカルが居ない状態になって、『自分たちっていうのは何なんだろう』というのを考え直すきっかけになって。そこからここ(2人)の音楽と映像が主軸で、『他にもいろんなことをやって行きたいよね』と」
ユニットの転換点だったという、初代ボーカルの脱退。そこから2人は、自分たちの活動の幅を広げると決意した。時には”服”、またある時は”食”と、音楽にとらわれない、幅広い活動を始めるようになる。
すみ「ボーカルは文藝天国の中の“音楽部門”に参加してくれて、音楽班と呼んでいます」
曲の歌詞に込められているのは、社会に対し、2人が抱く「生きづらさ」や「息苦しさ」。「文藝天国」は、人間の感情が動く瞬間、「揺らぎ」を音楽に乗せ表現している。
ko「悲しい・美しい。いろんな揺らぎがあると思うんですけど、そういった揺らぎによって、少しでも人生が豊かになる瞬間というのを天国というふうに呼んでて、今この瞬間が豊かな、心が揺らぐ瞬間「天国」になったらいいなと思っていますね」
すみ「私は息苦しいのも揺らぎの一部だと思ってて、実際に私も息苦しい時は『本当にもう助けてくれ』と思いますが、でも後から考えてみれば、その揺らぎがあった分もっと、高い景色を見に行けるというふうに思ってて。いかに揺らぎながら生きていけるかの方がきっと大事だと私は思ってて」
そんな2人が印象的だと話すのが、去年リリースしたセカンドシングル「シュノーケル」。すみが制作した映像に合わせ、koが作詞作曲を行い、1つのミュージックビデオとして公開したこの作品は、まさに「二人三脚」で作り上げたナンバーとなっている。
ko「水中というところをテーマに『シュノーケル』というタイトルを付けて、シュノーケルって水中でその空気を供給することで、長く泳ぐことができるっていうのを、人生に例えるというテーマで書きました」
すみ「生きるのが苦しいのと息をするのが苦しいのって似ているなと思って。水中のシーンとかそういうふうに思って撮っていましたが、息をするのが苦しいのに対してのkoくんからのアンサーが『シュノーケル』、水中でも息ができる。その補助器具というのが、『汲み取ってくれたんだ』みたいな」
独自の路線で自身の表現を追求し続ける文藝天国。最後に今後の目標について聞いた。
「五感で表現するっていうのを裏テーマとして持ってて。五感を作っていく、と同時にその人々の生活は衣食住からできてるじゃないですか。この衣食住をしっかりと見つめて、文藝天国の衣食住を今後提案して行きたいなと」
(『ABEMAヒルズ』より)
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