苦しんだからこそ、1勝が嬉しい。プロ麻雀リーグ「朝日新聞Mリーグ2021-22」セミファイナルシリーズ、3月24日の第1試合、KADOKAWAサクラナイツ・岡田紗佳(連盟)がトップを獲得。「焦らないように」と自分に言い聞かせ、チャンスは臆せず前に出る。積極策が奏功した内容に、試合後は安堵の表情を見せた。
この試合の対局者はEX風林火山・松ヶ瀬隆弥(RMU)、KONAMI麻雀格闘倶楽部・滝沢和典(連盟)、岡田、渋谷ABEMAS・日向藍子(最高位戦)の並びでスタート。岡田は東1局、東2局1本場と放銃し、特に後者では満貫確定のリーチをかけながら、ライバルに弾き返されていた。しかしこの日は、逆境を乗り越える風が岡田に吹いた。親番を迎えた東3局、役満・国士無双へ向かっていた滝沢からドラの5筒をポンすると、もう迷わず前進だ。終盤にこれをツモり、タンヤオ・赤・ドラ3で1万2000点を手に入れた。
さらに1本場は6000点(+300点)、同2本場は3900点(+600点)と3局連続のアガリ。あっという間にトップ目へと駆け上がった。そして決定打は南2局。6巡目にイーシャンテンとすると、7巡目に一・四万待ちで先制リーチ。ダマテンにして2着目滝沢の親を蹴る戦略もあるが、前巡に赤五万を切っているため、ライバルからすれば盲点となる待ちで、出アガリにも期待できる。同巡、日向と松ヶ瀬から追っかけリーチが入るも、これを一発ツモ。リーチ・一発・ツモ・平和・赤の8000点をゲット。これでライバルを突き放し、南4局も仕掛けて1000点のアガリで試合を締めくくり、ポストシーズン1勝目を手に入れた。
試合後は「チームに貢献できたことが嬉しい」と口角を上げ、間隔がやや空いた登板で「かなり緊張していた」と赤裸々にこの試合を振り返った。また南2局の3軒リーチは「めちゃくちゃ怖かったですよ」と振り返り、それでもこの試合は「リードしても『絶対に焦るな』って自分に言い聞かせていて…。リードを広げるつもりでやってました」と明かし、強気な選択でしっかり結果を出したことに喜んだ。
今期のレギュラーシーズンでは、わずか1勝。その勝利も年明けまで時間がかかり、長く悩み苦しんだ。この試合はチャンスに決して日和ることなく、堂々とした戦いぶりでトップを掴んだ。簡単にはいかないシーズンを経て、壁を一つ越え、スケールも増した。チームはこれまで2年連続ファイナル進出を決めており、今年こそ優勝の思いも強い。ファンに対しては「いよいよ優勝できるように、頑張っていきたいと思います」と笑顔を見せ、これに対してコメント欄には「おかぴーおめでとう!」「ナイストップ&ナイスファイト!」と、岡田の背中を押す声が多数投稿されていた。
チームを勢いづける大きな1勝。3年目、成長株の岡田はファイナルシリーズへ向けて、大きな戦力となっている。
【第1試合結果】
1着 KADOKAWAサクラナイツ・岡田紗佳(連盟)4万9800点/+69.8
2着 KONAMI麻雀格闘倶楽部・滝沢和典(連盟)2万5900点/+5.9
3着 EX風林火山・松ヶ瀬隆弥(RMU)1万7300点/▲22.7
4着 渋谷ABEMAS・日向藍子(最高位戦)7000点/▲53.0
※連盟=日本プロ麻雀連盟、最高位戦=最高位戦日本プロ麻雀協会、協会=日本プロ麻雀協会
◆Mリーグ 2018年に発足。2019シーズンから全8チームに。各チーム3人ないし4人、男女混成で構成され、レギュラーシーズンは各チーム90試合。上位6チームがセミファイナルシリーズ(各16試合)、さらに上位4位がファイナルシリーズ(12試合)に進出し、優勝を争う。
(ABEMA/麻雀チャンネルより)







