「両方の股関節と膝が壊死した」女優を目指した若い女性の告白 発症率5万人に1人の難病は「反対にへし折られている痛み」
【映像】「脚を取って欲しい」耐えがたい痛みを伴う難病の実態
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 発症率が5万人に1人という難病を発症した若い女性が、その苦悩、さらに想像を絶する痛みと格闘する日々について語った。

 特発性大腿骨頭壊死症という難病を発症したのは、高道屋沙姫さん。女優になる夢を追いかけていた19歳のとき、白血病と診断された。本人によると、25歳、2度目の骨髄移植の際に接種したステロイドが原因で特発性大腿骨頭壊死症を発症したという。

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「両方の股関節と膝が壊死しました。本当は膝も股関節も人工関節にしなければいけない。本当に寝れなくて、反対にへし折られている痛み」

 高道屋さんはそのように明かすと「私の場合、ステロイドを止めることができないと人工関節に変えることができない。免疫力が弱すぎて、ステロイドを切ることができない体。脚を取って欲しいと思うほど痛いけど、痛み止めを飲み続けて頑張って耐えなければいけないんです」と続けた。 

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 では、特発性大腿骨頭壊死症とはどのような病気なのか。村山医療センターの清水俊志先生は「特発性大腿骨頭壊死症は股関節を形成している大腿骨の骨頭の血流障害が原因で、大腿骨頭が壊死してしまう病」と説明する。

 つまり、壊死した大腿骨頭の部分が大きくなると、体重を支えきれなくなり潰れて痛みが発生する。その発症率は5万人に1人と言われ、ステロイドの内服や大量の飲酒などがその原因になるとされるが、発症のメカニズムなど、未だはっきりしたことはわかっていない。

 清水先生はそのことについて「明らかなメカニズムはわかっていない。危険因子(ステロイドの内服や大量の飲酒など)に該当しなくても、特発性大腿骨頭壊死症を発症することはある。この病気は30代~50代の男性に発症しやすく、年間で2000人から3000人と言われている」と補足した。

 特発性大腿骨頭壊死症の最大の問題点は「激しい痛み」。その痛みについて、高道屋さんは「市販の鎮痛剤はもちろん、医療用麻薬を処方してもらっても効かず、痛い部分をテーピングのようにして抑えながらどうにか夜を持ちこたえた」とのこと。

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 痛みがひどい場合の治療法としては人工股関節手術が挙げられる。その手術について清水先生は「股関節は骨盤と大腿骨を合わせて股関節。大腿骨の受け皿になっている骨盤部分を人工のポリエチレンのインプラントに置き換える。大腿骨頭の壊死した部分を取り除き、チタン合金のインプラントを埋め込むことで、生活が問題なく送れるようになる。人工関節は他にもヒザや肩にも使われている」と詳細を解説した。

 人工関節が誕生したのは今から130年以上前にさかのぼる。象牙を使った人工股関節がその始まり。1970年には、現在の原型となるインプラント型のデザインが開発されたが、関節部分の可動が悪く性能も低かった。

 清水先生は「かつてはインプラント部分が摩耗して寿命は10年ほどだった。手術をする方の年齢を考慮する必要もあったが、現在では進化してきており、インプラントの耐用年数が上がり、取り換える必要がないことが多い。年齢を気にすることなく手術を受けていただくことができるのでは」と話す。

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 高道屋さんは今年の夏ごろには体調を安定させ、手術を受けたいと語る。

「オシャレをしたい。転ばないように、膝や股関節に負担をかけないようにスニーカーばっかり。(手術を受けたら)ヒールを履きたい」

 一方では「先生から人工関節に変えたからといって、必ずしも痛みがなくなるとは限らないと言われている。そのことが一番不安です。手術しても治らないのは勘弁してくれ…という気持ちは結構ある」と複雑な思いも明かしてくれた。

 特発性大腿骨頭壊死症とはいえば、お笑いタレントの千原ジュニアもその苦しさを味わった張本人だ。無事、人工股関節手術を終えたばかりの千原ジュニアは「2日後にリハビリを開始した。歩行器で始めて、その日に杖を持って歩いたり、ポールや手すりを持って。結構スムーズだったが、やり過ぎてしまい変な癖がついて、引きずってしまうのは良くないという教えだった。足の長さも左右で異なり、手術した方が1センチ、1.5センチ長かった。ここから落ち着いていくと思う」と話した。(ABEMAABEMA的ニュースショー』)

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