なんとしてでもファイナル進出への道を切り開く。その勇気ある決断に、多くのファンが胸を打たれたようだ。プロ麻雀リーグ「朝日新聞Mリーグ2021-22」セミファイナルシリーズ3月29日の第2試合に登板したU-NEXT Pirates・石橋伸洋(最高位戦)は、レギュラーシーズンで個人成績28位とチーム唯一のマイナスポイント。そのチームもレギュラーシーズンは1位で突破しながらも、セミファイナルシリーズではこの日の時点でファイナル進出圏外の5位と、非常に厳しい状況にある。
2020シーズンより定められたMリーグの規定「2シーズン連続で同じ選手構成でファイナルシリーズへ進出できなかったチームは選手を入れ替える」に該当する石橋らは、言わばファイナルシリーズ進出が使命。それだけに石橋は、親のKONAMI麻雀格闘倶楽部・伊達朱里紗(連盟)が大物手で構える南3局1本場でも、怯むことなく立ち向かった。南を鳴き、手の中には發が暗刻で1筒と白が対子と、ツモれば三暗刻の形。赤5索を含めた両面ターツ落としという異様な捨て牌には解説を務めたTEAM雷電・瀬戸熊直樹(連盟)も「620%テンパイに見える」「リーチよりもテンパイ」と表現したが、追い付いた石橋は迷わずリーチを選択した。
「ファイナルに行くぞというか、優勝するつもりでやっている」。ポジティブな気持ちで選んだというリーチは、引き寄せられるかのようにすぐさま伊達からアガリ牌が零れ落ちてリーチ・一発・平和・ドラ・裏ドラ2の跳満・1万2000点(+300点、供託1000点)を獲得。一気に逆転トップへと躍り出た気迫の闘牌には瀬戸熊も「うおぉぉぉぉ」と大興奮で、ファンからも「キング!キング!」「俺たちの石橋がアガった!」「背水のキングは強い」「素晴らしかった!」「石橋泣かせるな」と称賛コメントが連投された。
※連盟=日本プロ麻雀連盟、最高位戦=最高位戦日本プロ麻雀協会、協会=日本プロ麻雀協会
◆Mリーグ 2018年に発足。2019シーズンから全8チームに。各チーム3人ないし4人、男女混成で構成され、レギュラーシーズンは各チーム90試合。上位6チームがセミファイナルシリーズ(各16試合)、さらに上位4位がファイナルシリーズ(12試合)に進出し、優勝を争う。
(ABEMA/麻雀チャンネルより)







