100キロ超のヘビー級対決で、強烈な右フックによってアゴを打ち抜かれた選手の動きが一瞬にしてフリーズ。その巨体がストンと崩れ落ちる壮絶なダウンシーンに「空中で失神している」「これはエグイ」など驚きの声が殺到した。
3月26日にシンガポールで開催されたONE Championship「ONE X」。カン・ジウォン(韓国・110.5キロ)とポール・エリオット(イギリス・107.1キロ)のヘビー級戦は、1ラウンド58秒、カンがエリオットのアゴを打ち抜きKO勝利を収めた。
カンは昨年、元RIZIN無差別級トーナメント準優勝のアミル・アリアックバリ(イラン)を左フック1発で粉砕するサプライズを起こしている選手。柔術ファイターのマーカス・アルメイダにはチョークで一本を取られ初黒星を喫したが、それまでの5勝は全て1ラウンドでKO勝ちを収めている。毎度のように追い込まれながらも、その都度大逆転。“当たったら終わるヘビー級”を体現してきた1人だ。一方のエリオットは初参戦、コロナ禍で2年半近くのブランクを経ての試合となる。
ゴングとともにエリオットが華麗な回し蹴り、さらに近い距離で大型トラックの衝突のような真っ向勝負の殴り合いが勃発。しかし、これをいなしたエリオットはバックステップからサイドキックなど、100キロオーバーとは思えない軽快な動きを見せる。
多彩な蹴りを見せるエリオットに対しカンがフェイントをかけながらストレート、さらに大きく弧を描くような左フックを放てば、エリオットはローを飛ばし一気にプレッシャーをかけ、ケージ際で至近距離の打ち合いに持ち込んでいく。
しかし、ヒリヒリの打ち合いでエリオットの左右のフックがカンを捉えた次の瞬間、カンの振り抜いた右フックがエリオットのアゴを打ち抜いた。“グシャ”という音とともにエリオットは腰が抜けるように崩れ落ちて失神KOとなった。
ABEMAで実況を務めた西達彦アナが「これがヘビー級!」と絶叫すると、視聴者からも「音がもうね…」「一発で逆転した」「当て感が凄い」などの声が。その後、リプレイが流れるとアゴを捉えた瞬間にエリオットが気を失うようにフリーズし、ストンと崩れ落ちる衝撃映像が。その様子に「空中で失神している」など驚きの声が聞かれた。
カンはこれで6勝6KOとしてONEのヘビー級戦線でも突出したレコードを更新。アジア系のヘビー級ファイターとして、タイトルショットへの期待も高まる1勝となった。