関東のビジネスシーンで関西弁はアリ?ナシ?「覚えてもらいやすい」「TPOをわきまえることが強みになる」
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 進学や就職などで上京する人が増える季節。しかし、初対面やビジネスの現場で、地方出身者が使う方言が勘違いやトラブルを生んでしまうことも少なくない。そうした議論の中心に存在するのが「関西弁」だ。

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 会社員のカズさんは、生まれも育ちも大阪。14年前、34歳で上京したときのことを、関西風のイントネーションのある丁寧語で振り返る。

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 「転勤で関東に来たんですが、社長が京都の人だったんですよ。面接の時にやっぱり“あんた関西の人やんな”みたいな話で盛り上がって。上司も含め、関西弁を喋る人が周りに多かったというのが恵まれた環境ということもありましたね。僕は身長が185cmあるし、関西弁を喋った方がインパクトもあって覚えてもらいやすいだろうというのもあって。実際、“あ、あの関西弁のおっさんおったな”という感じで覚えられていたことがありましたね。

 飲んでいても、“あ、兄ちゃん、関西の人?自分もですわー”みたいな感じで話しかけられて盛り上がったり、仕事でも“自分、関西やろ?”“はい、どこですか?”みたいな話になったり。だからあえて変える必要はないと思っていたし、やっぱり生まれたのが関西なんで、そういうところも含めて自分だというのもあって、変えたくないなという思いは強いですね」。

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 一方、関西弁を喋ったことで苦い思いをしたこともあるという。

 「嫌味を言われたこともあります。東京に出てきた頃、家族とレストランに入って喋っていたら、50代ぐらいのおばちゃんが“関西弁喋ってるよ”みたいな感じの話をしているのが聞こえてきて。今やったら“おばちゃん、なんで?”と話しかけるとは思うが、その時“え?え?“そんなに?”みたいな。あとは、お笑いを求められる時もあります。“で?”みたいに言われて、“え?、今のあきません?みたいな。真面目な話で終わると“おもんないな”って。自分に何求めてます?みたいな(笑)」。

■「言語というのはコミュニケーションツール」

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 カズさんの話を聞いて、北関東某県の出身者うららさんは、「今までも感じてきた、“関西弁どうしの仲間意識があるやん”という雰囲気に疎外感を感じる」と苦笑する。

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 東京の大学へ進学したのを機に標準語に直したといううららさん。「誰が相手でも関西弁を話し続ける人と、職場では関西弁を使わない人」を見てきたといい、前者には“攻撃的な態度で接してくる人”や、“大声で怒鳴ってくる人”が多く、職場にはそれが原因で退職者が出たケースもあったことから、「テレビから関西弁が聞こえるだけで怖くなってしまった」と明かす。

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 また、後者についても、「女性の方だったが、お嬢様な学校に通われていたようで、“世界で働く人間になるんだから、関西弁だけを喋るような人に育ってはいけない”という教育を受けてきたと言っていた。やはり直そうと思えば直せるはずだし、相手に合わせたしゃべり方を選択できる方がビジネスの機会、チャンスが広がっていくのではないかと思う。その点、“東京でも関西弁を使い続けるんだ”という人には、自分は絶対に正しいという価値観もあるのではないか」と主張した。

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 私生活では地元の方言の他、九州弁も使っているといううららさん。カズさんが「代表して謝っておく」と話すと、「怒鳴られてないし、大丈夫だ」と応じた上で、次のように語った。

 「その土地の方言が残ることはいいことだと思うし、関西弁と東京弁と敵対させたいというわけでもない。あくまでも明治以降に決まっていた“標準語”に合わせるというだけであって、イギリス英語のように品格があるとか、別に東京に染まるべきだということでもない。

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 そして私は菅田将暉さんが好きだが、菅田さんって、テレビは完全に標準語で、ラジオの時だけ関西弁になる。そうやって上手く使い分けをして、“ここではプライベートを出してくれているんだ”と分かる方が聞き手としても面白いし、安心する。やっぱりTPOをわきまえるというのは強みになると思う。だから最初は標準語で話してみて、仲良くなったり、地元が同じだよねということが分かったら、方言を使えばいい。言語というのはコミュニケーションツールなので、ビジネスの場の第一段階でアイデンティティを出す必要はないのではないか」。(『ABEMA Prime』より)

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