全21試合中15試合がKO決着というド派手な展開になった4.3K-1代々木第一体育館大会の中で、とりわけインパクトが強かったのが大和哲也だ。
 山崎秀晃が持つスーパー・ライト級タイトルに挑戦し、1ラウンドKO勝利でベルト奪取。相手の打ち終わりに、得意の左フックが完璧にヒットした。ただ、狙っていたわけではないという。
「勝手に出て勝手に倒れてくれたというか。そういう自然に出るのが練習の賜物というか」
 練習で磨きに磨いたパンチだからこそ「勝手に」出たのだ。大和がK-1で頂点の座に立つのは、実に12年ぶりのことだ。2010年、旧体制のK-1  WORLD MAX。初開催となった63kgトーナメントで優勝したのが大和だった。その時も会場は代々木第一。KOをもたらしたのは左フックだった。「代々木でのKO、全部左フックですね」と大和。ヘビー級の第1回K-1 GPが1993年に行なわれたのも、やはりこの会場だ。