数々の記録を作り上げたスーパーレジェンドが、棋士人生の中でも最大級のチャレンジを行い、早くもファン騒然だ。4月16日から本大会の模様が放送される将棋界の早指し団体戦「第5回ABEMAトーナメント」。大会では、結成されたチームが結束力を高めるチーム動画の収録が恒例になっている。羽生善治九段（51）、佐藤紳哉七段（44）、中村太地七段（33）の3人は、前回大会と同じ構成で、昨年のベスト8以上を目指して戦うことになった。大会に向けて運気を上げようと埼玉県内の施設で「インドアスカイダイビング」に挑戦。猛烈な上昇気流を受けて羽生九段が宙を舞う姿にファンからは「見たことない顔してる！」「神になんてことを笑」といった声が一斉に飛び交った。
羽生九段は今回もリーダーとして参戦し3年連続3回目の出場。初の団体戦となった第3回大会では、チームメイトたちとうさぎカフェを訪れ、かわいいうさぎを撫でながら、将棋初心者でも楽しめる「どうぶつしょうぎ」を初めて指すという激レア映像が誕生した。続いて第4回大会では、予選ではババ抜き、本戦では精神力を鍛えようと寺に行って座禅も組み、作務衣姿も披露した。
羽生九段自身、今回も同じメンバーで大会に臨んだのは、昨年ベスト8で終わってしまった借りを、チームワークも高まった3人で返しに行こうという狙いのもの。「かつら飛ばし」の持ちネタで知られるエンターテイナー佐藤七段に導かれ、インドアスカイダイビングの施設へと向かった。
インドアスカイダイビングは、ヨーロッパやアメリカを中心に約6000万人が参加しているもので、世界大会も開催されている。最大風速、時速360キロという猛烈な風を全身に受けながら、うまくバランスを取ると初心者でも高さ10メートルは浮かぶことができ、今回訪れた施設は20メートルの高さがある。これをインストラクターから聞いた羽生九段は「そ、そんなに飛べるものなんですね」とびっくり顔だった。
羽生九段ら3人は早速、専用の服に着替えると「宇宙飛行士になったような気持ち。すごく軽くて重さがほとんどない。厚手にように見えるんですが」と、一見分厚い宇宙服のような姿でも、重量感がないと驚いた。すると中村七段が「トップバッター、行かせていただきます」と施設に入ると、うまくバランスを取り、あっという間に急上昇。10メートルの高さまで到達しては、何度も上下動を繰り返した。これには中村七段も「あんなに高いところまで行くとは思わなかった。普通では味わえない感覚で、風がめちゃくちゃ強い。台風が大したことがないくらいです。人生観が変わりそうです」と興奮気味にコメント。羽生九段も「見えなくなるくらい高く飛んでいた」と目を丸くした。これに続いて佐藤七段も挑戦。最初はバランスを取るのに苦労したが、徐々にコツを掴むと同じく10メートルの高さへ。「上に行く時はまさに上昇気流。かつらだったら飛んでいた圧を感じました」とジョークも飛ばした。
そしていよいよ羽生九段の登場。高く舞った2人を目の当たりにしたこともあってか「不安もありますけど楽しみたいです。緊張はもちろんすごくあります。風の音がすごく大きいんで」と苦笑いしながら入っていくと、細身の体が弓なりになるほどの風圧を受けて悪戦苦闘。なんとかバランスを取り始めると、インストラクターのサポートも受けながら、他の3人と同様に高く舞うことに成功した。激しい風圧によって羽生九段の表情も見たことのないものになったが、なんとか無事にダイビングを終えた。
強烈な初体験をした羽生九段は「想像していたのと全然違う感じでした。風の圧力ってすごいんですね。浮いている感じがあって、なかなか得難い経験でした」と、驚きの連続だった様子。ファンからも「貴重な映像だ」「羽生さんガチで面白い」「羽生さんが飛んでいる！！！」と反響が止まらなかった。
◆第5回ABEMAトーナメント 第1、2回は個人戦、第3回からは3人1組の団体戦として開催。ドラフト会議で14人のリーダー棋士が2人ずつ指名。残り1チームは、指名を漏れた棋士がトーナメントを実施、上位3人がチームとなり全15チームで戦う。対局は持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールールで行われる。チームの対戦は予選リーグ、本戦トーナメント通じて5本先取の9本勝負。予選は3チームずつ5リーグに分かれて実施。上位2チーム、計10チームが本戦トーナメントに進む。優勝賞金は1000万円。
（ABEMA／将棋チャンネルより）
